体の不調を整えてくれる整体院の需要は高まっています。
私たちは日々の生活で疲れが溜まっているため、それらを解きほぐしてくれる整体院を活用したい人は多いのでしょう。
このように需要が高まっている状況であるため、「整体院を開業してみたい」と考える人が増えています。
しかし「資格が必要なのか」「どのような手続きがいるのか」とお困りの人も多いようです。
今回は整体院を開業するにあたって理解しておくべき知識や成功のポイント、開業までの流れをご説明します。
整体院とは
整体院開業を目指すにあたって、まずは整体院とはどのようなものか概要をご説明しておきます。
整体院の特徴
整体院は身体のコリなどをほぐして不調を緩和するサービスを提供する施設です。
似たような施設には整骨院が挙げられます。
同様の施設だと理解している人もいるようですが、実際には国家資格が必要かどうかという点で大きく異なります。
整体院は接骨院とは異なり、開業にあたって国家資格の取得が必要なく、低いハードルでの開業が可能との特徴があります。
なお、資格は必須ではないものの民間資格を取得するケースは多々あります。
資格を取得している方が利用したからの安心感が高まるため、開業にあたって整体関連の資格を取得するのもよいでしょう。
整体院で対応できる施術
整体院は国家資格が必要ないため、対応できる施術に制限があります。
具体的には治療行為に該当する施術は整体院では取り扱いできません。
例えば交通事故による捻挫は怪我であり治療が必要となるため、整体院では施術できません。
逆にこのような怪我ではなく、日頃の不調などは整体院で取り扱いできます。
例えば慢性的な肩こりで不快感がある場合やスポーツで筋肉痛になった場合は整体院で施術ができるのです。
なお、どの施術においても整体院では保険対象外となります。
全て自費治療となるためその点は理解しておくべきポイントです。
整体院の開業を成功させる3つのポイント
整体院の開業を成功させたいのであれば、以下のポイントを必ず意識しましょう。
- 整体院のコンセプトを明確にする
- 従業員の技術力を高める
- リピータを増やす
それぞれ、どのようなポイントなのか以下でご説明します。
整体院のコンセプトを明確にする
整体院のコンセプトは明確にしておきましょう。
コンセプトが明確になっていないと、利用者は「何を得意とした整体院なのか」との疑問を持ってしまいます。
このような状態では思うように利用者を集められません。
「自分に適した整体院なのか」の判断ができないため「利用してみよう」との考えに繋がらないのです。
具体的に自分が治療を受けるイメージを持てなければ、来院しないと考えるべきです。
逆に「スポーツに強い整体院」「日頃の肩こりを解消する」など、イメージを持ちやすくすれば来院にも繋がりやすくなります。
コンセプトを明確にして、それをわかりやすく伝えることを意識すべきです。
従業員の技術力を高める
日頃から研修などを繰り返し、従業員のスキルアップに努めましょう。
開業のタイミングで高いスキルを持つことはもちろん、開業してからのスキルアップも重要です。
言うまでもなく、整体院の評判は従業員のスキルで決まります。
自分一人で開業するならば自分のスキルアップだけで良いですが、従業員がいるならば従業員のスキルアップにも取り組みましょう。
内部で研修をしたり勉強会に参加させたりすべきです。
常に高いスキルでサービスを提供できるかどうかは、整体院が成功するかどうかを大きく左右します。
利用者の満足度を高められるように、従業員全員のスキルアップを目指しましょう。
リピータを増やす
整体院にはリピーターの存在が重要です。
定期的に通ってくれる人がいなければ、安定した売上は得られません。
リピーターを生み出す取り組みをできるかどうかがポイントです。
取り組みの例としては、施術完了後に次の予約をおすすめすることが挙げられます。
近いタイミングで予約を取ってもらうようにすれば、定期的に通ってくれるリピーターを生み出せます。
また、クーポンの発行やポイント制度などの導入も良いでしょう。
整体院は整骨院とは異なり自費治療であるため、料金面では融通が利きます。
リピーターになってもらえるような施策を事前に考えておきましょう。
整体院を開業するまでのステップ
これから整体院を開業したい場合、概ね以下のステップに沿って進めましょう。
- 整体院のコンセプト決定
- 開業届の提出・法人登記
- 必要に応じて資格の取得
- 物件の取得と改装
- 備品の配置
- 従業員の雇用
それぞれのステップでやるべきことについてご説明します。
開業のステップ1:整体院のコンセプト決定
今の時代は整体院のコンセプトが重要です。
無難な整体院ではなく、何かしらのコンセプトを持った整体院の開業を目指しましょう。
また、事前にコンセプトを明確にしておけば、開業にあたっての準備を進めやすくなります。
例えばどのような設備を調達するかや内装のデザインについて決めやすくなります。
他にも、利用者のペルソナも明確にしやすくなります。
コンセプトを決定する際は、開業予定地付近にある同業他社のコンセプトを参考にしましょう。
同業他社と似たコンセプトを採用すると訴求力が低くなってしまいます。
「この整体院に通いたい」と思わせるだけの独自性を持ったコンセプトを目指すべきです。
開業のステップ2:開業届の提出・法人登記
整体院のコンセプトが決まれば実際に開業に向けた手続きを進めます。
開業する際は個人事業主か法人かを決めて、それに沿った手続きが必要です。
まず、手続きをする前に個人事業主と法人のどちらにするか検討が必要です。
個人事業主は気軽に開業できる反面、信用力が低いデメリットがあります。
法人は手続きに時間を要しますが、信用力が高かったり補助金を受けやすかったりするメリットがあります。
整体の開業にあたってどちらが良いとは一概に言えません。
将来的な展望も踏まえて適切な方を選択するようにしましょう。
なお、法人を設立する場合は法人登記と呼ばれる手続きが必要です。
ただ、こちらは専門的な書類を10種類程度作成する必要があり、自分で対応するのは難しいでしょう。
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開業のステップ3:必要に応じて資格の取得
整体院開業に資格は必要ありませんが、スキルの証明に資格を取得する人もいます。
そのため、何かしらの資格を取得したいならば、このタイミングで取得しておくとよいでしょう。
資格の選択肢には国家資格と民間資格があり「柔道整復師」「あん摩マッサージ指圧師」「カイロプラクティック」「スポーツ整体師」などが挙げられます。
国家資格は予定の学校に通い取得する必要がありますが、民間資格は通信教育などで学べるものが大半です。
整体院開業にあたって国家資格を取得するのは難しいですが、民間資格ならばチャレンジできる範囲でしょう。
開業のステップ4:物件の取得と改装
整体院の開業に向けて物件を取得します。
すでに物件を保有しているならば、整体院として利用するために改修していきましょう。
まず、開業するための物件の選択肢には以下が挙げられます。
- 自宅や保有物件
- 賃貸物件
- 事業利用できるマンション
- レンタルサロン
どれを利用するかによって開業までのハードルが異なります。
自宅や保有物件を利用する場合は契約の必要がありません。
ただ、基本的には整体院として利用するために改装が必要となるはずです。
業者と契約してスムーズに改装を進めましょう。
賃貸物件を利用する場合は契約から改装までやるべきことが多くあるため、時間に余裕を持つようにしましょう。
契約をするまでの時間を要しますし、そこから改装するとなるとさらに時間を要します。
マンションやレンタルサロンを利用する場合は、改装の制限がありほとんど工事はできないためスムーズな開業が目指せます。
ただ、内外装工事ができない場合は既存の外観・内装で開業することとなり、店構えや空間づくりで自分らしさを出した整体院にはしにくいため注意が必要です。。
どのような物件を取得するかによって整体院のイメージなども変わってきます。
立地を含めてよく検討するようにしてください。
開業のステップ5:備品の配置
物件が完成すれば整体院に必要な備品を配置していきましょう。
物件の完成に合わせて、注文を済ませておくことが重要です。
整体院を開業するために必要なものが多数あります。
例えば以下のものが挙げられるでしょう。
- 消毒・手洗い場など衛生面の備品
- 施術台やまくらなど利用者向けの備品
- 回転椅子など施術者向けの備品
- 椅子や傘立てなど待合室の備品
- スリッパなどの履物
- 電話や時計など電化製品
- 各種ゴミ箱
- ロッカー
整体院の規模によって必要な数量が異なってきます。
なお、初期費用との兼ね合いを踏まえながら購入しなければ、思わぬ出費になりかねません。
開業のステップ6:従業員の雇用
できるだけ1人は従業員を雇用しておきましょう。
従業員がいなければ、施術中の電話対応などができなくなってしまいます。
もちろん、ネット予約に限定するなどして、1人でもうまく業務をこなす方法はあります。
ただ、予約方法を少なくすると利用者が減ってしまうかもしれません。
ここは開業時のコンセプトにも左右される部分があるでしょう。
また、開業資金の観点から従業員の雇用が難しい可能性もあります。
その場合は、施術中の来客や電話にどのような対応をするかよく考えておくべきです。
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まとめ
整体院は整骨院とは異なり資格がなくても開業できるお店です。
資格が不要であるため実施できる施術には差がありますが、ルールの範囲内であれば幅広い施術が行えます。
ただ、幅広い施術が行えるがゆえに、整体院はお店の種類が多くサービスの種類も豊富です。
そのため、どのようなコンセプトで整体院を開業するのか、よく検討しなければなりません。
ありきたりなコンセプトで整体院を開業すると、競合他社に負けてしまう可能性が十分あります。
また、開業する際には個人と法人についても検討が必要です。
気軽に開業するなら個人ですが、将来的に拡大をしたい場合は法人がおすすめです。
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