整骨院で働いてる人の中には、「自分の店を開業してみたい」と考える人もいるでしょう。
また、世の中のニーズに応えるために「会社として整骨院の開業にチャレンジしたい」との考えを持つ経営者もいるかもしれません。
開業についての興味はあるものの、実際にどうすればよいのか理解できている人は限られているはずです。
今回は整骨院開業にあたっての基本知識や開業するまでの具体的なステップについてご説明します。
整骨院の開業で重要な知識
最初にこれから整骨院の開業を考える人に向けて、必ず抑えておくべき重要な知識を解説します。
整骨院の開業には柔道整復師が必要
整骨院を開業するためには「柔道整復師」と呼ばれる国家資格が必要です。
こちらの資格がなければ、開業の申請が受理されません。
柔道整復師になるためには、指定の4年制大学か専門育成施設に通学しなければなりません。
また、通学した後に柔道整復師試験を受験し、これに合格しなければなりません。
通学するだけではなく、試験に合格することではじめて柔道整復師になれるのです。
単純に整骨院を開業するだけならば、柔道整復師を保有していれば最低条件をクリアできます。
まずは自分で資格を取得するか、資格を保有する人を雇用する必要があると認識しておきましょう。
整骨院には施術管理者研修も必要
整骨院を開業するためには、最低限の条件として柔道整復師が必要です。
ただ、実際にはこれだけでは十分ではなく「施術管理者」と呼ばれる人を設置しなければなりません。
施術管理者は、受領委任で健康保険を取り扱う場合に必要となる役割です。
多くの接骨院では開業後に保険治療を取り扱っています。
そのため、施術管理者は必要なものだと考えておいて良いでしょう。
施術管理者になるためには、柔道整復師であることに加えて実務経験を経なければなりません。
また、2日間の施術管理者研修も義務付けられています。
これらの条件をクリアして初めて施術管理者になれるため、整骨院を開業する際は認識しておかなければなりません。
なお、保険治療を取り扱わないのであれば、施術管理者は不要です。
追加で保険業務を取り扱う整骨院を開業するような場合は、取り扱いが異なる点を認識しておきましょう。
整骨院を開業するまでの7つのステップ
整骨院を開業する流れは概ね決まっています。
基本的には以下のとおりです。
- 開業計画の立案
- 個人事業主の届出・法人登記
- 資金の調達
- 建物の準備
- 備品の調達
- 整骨院の開業手続き
- 人材の確保と教育
それぞれのステップについて何をする必要があるのかご説明します。
開業のステップ1:開業計画の立案
まずは開業に向けて計画を立案しましょう。
無計画に整骨院の開業を進めると失敗に終わってしまう可能性があります。
まず、整骨院を開業するにあたって「いつまでに」「どこに」「どのような」整骨院を開業したいのか考えましょう。
近年は整骨院が増えてきているため、ターゲットを絞り計画を立てなければ失敗しかねません。
競合店舗の状況なども踏まえて、計画を立案しておきましょう。
なお、計画を立てる際はできるだけ余裕を持つべきです。
余裕のない計画を立てると焦ってしまい失敗につながります。
整骨院を開業するための書類審査などで時間を要する可能性もあるため、その点も考慮しておくのが理想的です。
開業のステップ2:個人事業主の届出・法人登記
整骨院は個人でも法人でも開業が可能です。
経営するにあたって適した方法を選択し、必要な届出をするようにしましょう。
個人で開業する場合は、個人事業主になるための「開業届」を提出します。
税務署に書類を提出すれば簡単に開業できるため、整骨院開業前に届出を済ませておきましょう。
なお、開業届の提出と同時に「青色申告承認申請書」の提出もしておきましょう。
こちらを提出しておくと、確定申告の際に青色申告が利用可能となり、税制面での優遇を受けられます。
法人で開業する場合は、法務局で法人登記が必要です。
法人登記には多くの書類が必要となるため、計画的に書類を作成して手続きしなければなりません。
また、登録免許税や資本金などまとまったお金の用意が必要になります。
ただ、一般的には個人よりも法人の方が信用力が高いと考えられています。
利用者からの信頼や従業員からの安心感を得たいならば、法人を選択した方が良いでしょう。
ただ、法人設立には専門的な知識が必要となり、整骨院の開業に向けて自力で対応するのは負担のかかることです。
そのため、法人設立が必要な場合は、24時間受付手数料無料の経営サポートプラスアルファにご相談ください。皆さんが整骨院開業準備に集中いただけるようにサポートします。
開業のステップ3:資金の調達
調達するものが多くまとまった資金が必要になります。
そのため、開業前に資金調達はできるだけ済ませておきましょう。
資金調達の主な手段は自己資金です。
開業前に個人で法人としての現金を用意しておき、それを利用して開業を進めます。
物件の取得から内外装工事、必要な備品の手配や従業員の確保など、ことあるごとにお金が必要となります。
事前に見積もりをしておいて、どの程度の資金が用意できれば開業できるのか確認しておきましょう。
なお、自己資金だけでカバーできない場合は、金融機関から融資を受ける選択肢があります。
ただ、融資には時間がかかり、希望する金額が融資されるとも限りません。
開業資金を融資で賄う予定があるならば、多少はリスクがあると捉えておきましょう。
開業のステップ4:建物の準備
資金調達ができれば建物を準備しなければなりません。
開業する整骨院の規模によって必要な建物の大きさは異なります。
最初に立てた計画に基づいて必要な建物を検討しましょう。
また、建物は広さだけではなく立地や見た目も意識すべきです。
立地が悪ければお客さんが来てくれませんし、見た目が悪いと認めてもらえません。
「立地がよく行きたくなる見た目」の整骨院を目指しましょう。
ただ、立地や広さにこだわりすぎると、開業費用が高額になってしまいます。
時には譲歩して建物を決定し、開業して軌道に乗れば将来的に移転することを検討しても良いでしょう。
開業のステップ5:備品の調達
整骨院に必要な備品を順番に調達します。
ベッドなど施術に必要なものはもちろん、受付カウンターなどの設備も必要です。
計画を立てた整骨院の規模に沿うように、発注などを進めていきます。
この時に注意してもらいたいのは「中古の製品を利用するか」です。
整骨院で利用する設備には高額なものも含まれます。
それらを新品で購入すると負担が大きいため、時には中古での購入を検討することをおすすめします。
また、設備については必ずしも最新にこだわる必要はありません。
こちらも事前に立てた計画を踏まえ、どの程度の設備が必要になるのかよく考えるようにしましょう。
開業のステップ6:整骨院の開業手続き
整骨院開業は施術所の開業に該当するため、保健所へ開業届を提出しなければなりません。
こちらの書類を提出し、保険所の現地検査をクリアすることで開業できます。
書類の提出だけではなく、現地検索もあるため時間を要します。
また、保険治療を使うためには受領委任の届出が必要です。
地方厚生局や共済組合連盟などへ届出が必要となるため、順番に届出をしていきましょう。
専門的な知識が必要となる書類もあるため、自分での開業手続きが難しい場合はプロに依頼することをおすすめします。
開業のステップ7:人材の確保と教育
整骨院を開業できる見込みが立ったならば、従業員の確保に乗り出しましょう。
開業してすぐは少人数で対応する場合もあるため、必要な人数についてはよく検討しなければなりません。
ただ、個人で開業する場合を含めて、一人で全ての業務をこなすのは限界があります。
例えば施術中に予約の電話がくると対応できなくなってしまいます。
そのため、事務作業を担当する人と施術をする人の少なくとも2人は確保しておくのが理想的です。
また、確保した人材の教育をしなければなりません。
整骨院の開業にあたって多くのルールを設けているはずであるため、それらを周知するようにしましょう。
開業してすぐの段階でサービスの品質が低いと、整骨院の経営に影響が出てしまう可能性があります。
そのような状況を避けるべく、教育には力を入れましょう。
整骨院の開業を成功させるために意識すべきこと
整骨院は開業すれば成功するものではありません。
競合する店舗が多いため、成功させるためには意識すべきことがあります。
続いてはこちらについてご説明します。
整骨院のコンセプトにこだわる
新しく整骨院を開業するならば、コンセプトにこだわるようにしましょう。
世の中には数多くの整骨院があるため、コンセプトにこだわらなければ差別化が難しくなってしまいます。
整骨院のコンセプトは自由に考えると良いでしょう。
例えば内装にこだわり女性にアピールしても良いですし、スポーツ外傷などにこだわり治療メニューや設備にこだわっても良いでしょう。
競合と差別化できる部分を明確にできれば良いのです。
また、コンセプトは明文化して患者に伝えられるようにすべきです。
例えば「スポーツでの痛みならば当院にお任せください」とすれば、スポーツに適した整骨院を探す人にアピールできます。
コンセプトが明確であるかどうかは、開業して成功するかどうかを大きく左右します。
競合する整骨院に負けないためにも、コンセプトにはこだわりを持ちましょう。
開業費用を抑える
可能な限り整骨院の開業費用を抑えるようにしましょう。
競合が多く軌道に乗るまで時間を要する可能性があるため、現金には余裕を持たせるべきです。
開業費用に多くのお金を使うと、運転資金が少なくなってしまいます。
多くのお金を使ってもなお運転資金が潤沢にあるならば良いですが、そうでなければ可能な限り開業費用を抑えましょう。
費用を抑えるためには、導入する備品に中古を利用するなどの方法がおすすめです。
全てを新品で導入すると負担が大きくなるため、中古品の導入も検討すべきです。
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まとめ
整骨院の開業方法についてご説明しました。
整体院とは異なり資格が必要な業種であるため、新しく認識しなければなりません。
整体院と整骨院は誤って認識してる人が多く見られます。
資格さえ保有していれば、手続きを済ませることで整骨院の開業が可能です。
手続きをしてすぐに開業できるわけではないため、開業の際はスケジュール感に注意しておきましょう。
なお、整骨院は個人事業主でも法人でも開業可能です。
どちらにもメリットやデメリットがあるため、自分の状況を踏まえてどちらにするか決めなければなりません。
もし、選択に悩んだり法人登記の手続きで困ったりした際は、経営サポートプラスアルファにご相談ください。
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