左官屋としての技術が身についたら、独立したいと考えている人は多くいるでしょう。
左官屋の仕事は職人としての技術が一番で、学歴や職歴というのは関係ありません。
逆に言えば、技術さえ身についてしまえば独立することも十分可能なのです。
はじめに左官屋とはどういった仕事をするのかについて説明した後、左官屋で独立するメリット・デメリットについて整理していきます。
また左官屋で独立した場合の収入についても、公開していきます。
そして左官屋として独立する際に必要な資格や左官屋に向いてる人はどういった人かについて解説した後に、会社を設立する場合の情報についても紹介していきます。
左官屋として独立したい人は、ぜひ最後までお読みください。
左官屋とは
左官屋の仕事は、土やモルタル、プラスタ―、漆喰などの壁材を壁や床などに塗っていく仕事です。
一般的な住宅の場合、玄関のタイルを貼ったり、外の階段をモルタルで作ったり、おしゃれな柄のタイルを貼ったりします。
単純に壁材を塗ればいいというわけではなく、下地を塗って、中塗りを重ねて乾燥させ、さらに上塗りによって表面を仕上げて、乾燥させて出来上がります。
一人前の左官屋になるには、5年〜7年くらいかかると言われています。
左官屋の仕事内容
左官屋の仕事のメインは、壁の塗り上げです。
そのほかにも、ミキサーや撹拌機などでの練り上げ、塗装やタイル貼り仕上げの下地を作る作業などもあります。
つまり、塗り上げ作業に使う材料を作成するのも仕事の一つです。
また、キッチンや浴室、洗面jなどの下地作り、住宅内や外でのタイル貼り、レンガやブロック積みなども行います。
大工やとび職人などほかの職人と協力して作り上げていきます。
このように、左官屋の仕事の基本となるのは、壁や床などに材料を塗っていくという仕事です。
野丁場と住宅左官
左官屋が仕事するのは、野丁場と呼ばれる大規模な工事現場と、住宅左官です。
野丁場は、鉄筋コンクリート造などの大規模な工事現場で、大きなプロジェクトにより分業化されていきます。
分業化された中で、左官屋は、下地作りを担当していきます。
誤差5ミリ以内に収めるという高度な技術が必要になります。
他の職人と仕事しているため、工期内に終わらせる必要があります。
住宅左官の仕事は、コテを使って、漆喰や珪藻土などを塗ったり、レンガやタイル、ブロックなどを床や壁に設置したりすることです。
こちらも、高度な技術が必要になる仕事です。
お客様の注文通りに作り、継ぎ目なく作る必要があります。
左官屋で独立するメリット
左官屋で独立するメリットは、以下の通りです。
- 収入が増える
- 仕事を自由に選べる
- 仕事が多い
元請け業者が間に入らないため、依頼者からのお金が直接自分のところに入ってくるため収入は増えます。
さらに仕事も自分で自由に選べるため、単価の高い仕事を選ぶことも可能です。
左官屋の業界は人が足りてないと言われており、仕事の方が職人の数より多いため仕事に困ることはありません。
左官屋で独立するデメリット
一方、左官屋で独立するデメリットは、集客を自分でやる必要があるということです。
仕事が多くあるというメリットを説明しましたが、それでも仕事を自分で探してくる必要があります。
会社員時代は何も考えずに、親方から仕事を振られていましたが、独立するとそれがいかに有難いことであったかを身にしみるかもしれません。
仕事をもらえる人脈の形成や集客の方法を身につける必要があります。
左官屋で独立した場合の収入は?
左官屋で独立した人は、年収500万〜1,000万円の幅で稼いでいます。
これは一人親方の場合で、もう一人職人がいて、アルバイトが時々いるというケースです。
会社員としての左官屋の月給は30万円程度で、賞与が約10万円で年収370万円くらいなので独立すれば収入が増えることがわかります。
さらに職人を増やし事業を拡大していけば、年収1,000万を超えることも十分可能でしょう。
ただし、壁塗りだけの技術で勝負しようとすると、コストとの戦いになり年収は下がっていきます。
壁のデザインを作るなどの付加価値をつける仕事をしていけば、年収はさらに増えていくでしょう。
左官屋として独立する際に必要な資格
左官職人として仕事をするのに必要な資格は、ありません。
しかし左官屋として独立する際に必要な資格は、あります。
左官屋として独立する際に必要な資格は、以下の通りです。
- 左官技能士
- 建築施工管理技士
左官屋として独立する際に必要な資格について、それぞれ説明していきます。
左官技能士
左官技能士は、国家技能検定制度で、学科試験と実技試験からなります。
左官技能士には、1級から3級があります。
1級左官技能士と、3年以上の実務経験のある2級左官技能士は、左官の仕事において、主任技術者や一般建築業の許可を得る事業者の専任技術者になれます。
学科試験は、施工法と材料や、意匠図案、製図などの分野から出題されます。
実技は、3級は床と仮定された試験台への塗り上げ、2級は壁や壁の一部と仮定された下地への塗り上げなど、1級は壁、天井、壁の一部と仮定された下地への塗り上げなどを行います。
建築施工管理技士
建築施工管理技士は、建設業振興基金が主催している国家資格です。
建築現場における現場監督をする役割があります。
建築施工管理技士は、1級と2級があります。
どちらも合格率は、30%程度から40%程度と難易度が高めです。
1級は、建築工事全般の知識が必要になります。
左官屋で会社設立するには
左官屋で独立する際、会社を設立するには定款を作成し、法務局で登記申請する必要があります。
株式会社の場合には、公証役場で定款認証も必要です。
左官屋を個人事業主で開業するのではなく、左官屋の会社を設立するメリットはいくつかあります。
メリットの1つ目として社会的な信用が得られるということです。
個人事業主の場合には開業届を出せばすぐに仕事ができる一方で、会社設立には多くの手続きがあります。
また会社の登記申請した情報は、法人登記簿に公開されており誰でも見られる状態になっています。
会社に関する情報が公開されているということは、事業している実態があると判断され、個人事業主よりも信用されやすくなります。
また会社を設立した方が、社会保険に関してもメリットがいくつかあります。
まず会社を設立する場合には厚生年金に入るため、老後に受け取れる年金が増えます。
さらに健康保険は国民健康保険と違い、傷病手当や出産手当制度があります。
その他にも扶養制度があり、家族全員が被保険者として加入する必要がないため、家族全体での保険料を抑えることが可能です。
また税金に関しても、個人事業主の所得税より法人税は税率の上昇がなだらかであるため、節税ができる可能性があります。
会社設立費用
会社を設立して独立しようとすると、いくらかの費用がかかってきます。
株式会社の場合には、以下のような法定費用がかかります。
定款の収入印紙代 | 4万円 |
定款認証手数料 | 5万円 |
定款の謄本手数料 | 2,000円 |
登録免許税 | 15万円または資本金×0.7%の大きい方 |
合計 | 242,000円〜 |
合同会社の場合には、以下のような法定費用がかかります。
定款の収入印紙代 | 4万円 |
登録免許税 | 6万円または資本金×0.7%の大きい方 |
合計 | 100,000円〜 |
合同会社の場合には、定款認証は必要ないため手数料がかかりません。
どちらの場合も、電子定款で申請する場合は、定款の収入印紙代はかかりません。
株式会社でも合同会社の場合でも、この他に資本金が必要です。
次に、会社設立の流れについて説明します。
会社設立の流れ
会社設立の流れは、以下の通りです。
- 会社の基本事項の決定
- 定款などの必要書類作成
- 公証役場で定款認証手続き(株式会社)
- 法務局で登記申請
- 税務署などへの届出
はじめに、商号(会社名)、本店所在地、事業目的などの基本事項を決定していきます。
この基本事項は、定款などを作成するのに必要な情報です。
次に、会社設立のために必要な書類を準備します。
必要書類は、発起人や取締役の印鑑証明書や定款、発起人の決定書、就任承諾書、印鑑届出書などです。
そして、定款作成日以降に、発起人の個人口座に資本金を振り込みます。
株式会社の場合には、次に、定款を公証役場で認証してもらいます。
そして、本店所在地を管轄する法務局で登記申請します。
登記申請した日が会社設立日になります。
最後に、税務署や都道府県・市区町村役場に税金関係の書類や、年金事務所に社会保険関係の書類、労働基準監督署や公共職業安定所に労働関係の書類を提出して完了です。
左官屋として独立する際は、ぜひご相談下さい!
左官屋としての技術が身についたら、独立したいと考えている人は多くいるでしょう。
左官屋の職業は職人としての技術が一番で、学歴や職歴というのは関係ありません。
逆に言えば、技術さえ身についてしまえば独立することも十分可能なのです。
左官屋として、独立すれば多い時は、年収1,000万円以上になることもあります。
職人を育てていけば、さらに収入を増やすことも可能です。
左官屋として独立する際には、将来大きくしたい場合には、会社設立も視野に入れるといいでしょう。
会社設立に関して、分からないことがある場合は、会社設立について詳しい専門家に相談するのがおすすめです。
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そして、いざ会社を設立する場合は、多くの必要書類を準備し、手続きが必要です。実際には、法務局へ登記した後も、税務署などへの手続きなどが多くあります。
合同会社や株式会社設立を一人で進めるのは、大変です。
会社設立は、やはり豊富な経験と知見がある専門家に依頼した方が安心できます。
会社設立のサポートを受ける際に気になるのが、手数料です。
当社であれば、代行費用0円で、合同会社や株式会社設立サポートができます。
設立費用は、合同会社の設立の場合には6万円、株式会社設立の場合は20万2,000円から行えます。
司法書士を利用して、会社設立した場合よりもちろん安いですし、ご自分で会社設立する場合よりも安く済むというメリットがあります。
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