メルカリ、あるいはヤフオクといったネットオークションがすっかり浸透し、amazonや楽天のような新しい生活インフラとして認知されるようになりました。
しかし、メルカリでの売買には確かな利益が発生します。
利益=儲けが発生するということは、所得になり、所得税を申告しないといけないのでしょうか?
申告しないと脱税になり、税務調査の対象になってしまうのでしょうか?
今回はメルカリを例に税務調査との関係についてお話しします。
なお、メルカリを例にしていますが、ヤフオクやPayPayフリマアプリなど他のネットオークションも同じです。
別のネットオークションアプリ、フリマアプリを使っている方は、メルカリをそのアプリに読み替えていただければと存じます。
メルカリの取引には税金が発生しない、税務調査が入らないケースがある
まず、メルカリでモノを販売しても、税金がかからないケースがあります。
税金が発生しないならば税務調査は来ませんし、仮に来ても取る税金がないので調査官はそのまま帰っていきます。
税金が発生しないメルカリの取引は以下になります。
生活用動産を売った場合
生活用動産といって、日常生活で使っていて、いらなくなったから売るというケースです。
国税庁のHPでも「生活用動産の譲渡は非課税」と書かれています。
読み終わった本、プレイし終わったゲーム、もう見ないDVD、古くなった家具、電気製品、インテリアなどが該当します。
それらをメルカリで売っても非課税で税務調査の対象外になります。
引っ越しをする際に、いらないものを全部メルカリで売っても、それが100万円になっても会計処理をしたり確定申告したりする必要は原則ありません。
例外は次の項で触れます。
事業としてメルカリで売っている場合で利益が一定金額未満の場合
生活用動産を一過性のものとしてメルカリで売るなら非課税ですが、「営利目的」で「反復継続的」に利益を得ている場合は課税対象になる可能性があります。
つまり、転売目的で仕入れて売る(以下転売ヤー)や、自作のアクセサリーやクラフトを売る場合です。
その場合でも、税務調査の対象外になるケースがあります。
会社員等の副業で利益が20万円未満の場合
メルカリに限らず、会社員の副業も年間20万円未満ならば確定申告不要です。
メルカリで転売ヤー(あるいは自作の品を売っている)をしていても利益が年間20万円未満ならば確定申告不要で、税務調査の対象外です。
この場合は「雑所得」となります。
なお、利益ですので
「売上-仕入れ-諸経費(総量、梱包費)」=利益<20万円
であれば大丈夫です。
事業者としての利益(課税所得)が48万円未満の場合
給与所得者(会社員)の副業でメルカリを使う場合、20万円が非課税ラインになりますが、転売や自作グッズ販売を本業にしている場合は、雑所得ではなく事業所得になります。
この場合、所得税非課税になるのは、利益(課税所得)48万円未満の場合です。
「売上-仕入れ-諸経費(総量、梱包費)-各種控除」=利益<48万円
ならば非課税です。
他の事業もしている場合、メルカリの売上も他の事業の売上に合算します。
各種控除は青色申告特別控除や障害者控除なども適用できます。
ただし、利益が上がっていないように見せかけること(費用の架空計上など)がバレれば追徴課税になります。非課税ですが、事業性があれば税務調査の対象になります。
税金は発生しないですが、税務調査の可能性はあります。
一方税金が発生する、税務調査の可能性があるケースも
一方で税金が発生するケースもあります。
税金が発生すれば当然、その申告が適切かどうか税務調査が入る可能性があります。
貴金属や宝石、書画、骨とうなどで、1個又は1組の価額が30万円超の譲渡による所得
生活用動産とは認められない動産があります。
日常品ではなくコレクターグッズである、貴金属、宝石、書画、骨董品、あるいは高級ブランドのバッグなどです。
これらのうち、メルカリでの売却価格が30万円超(30万円は含まない。額面)のものについては、譲渡所得として課税対象になります。
譲渡所得対象になったメルカリ売却品は年間で損益合算します。
譲渡所得の金額は、以下の計算式で算定されます。
「譲渡価額全額」に課税されるわけではなく、取得費・譲渡費用・特別控除額(50万円)を差し引けます。
譲渡所得の金額 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 ― 特別控除(50万円)
骨董品をある年に2個メルカリで売ったとしましょう。
譲渡費用(送料、梱包費、メルカリ手数料は考えません)。
なお、転売目的ではなく、骨董品コレクターとして集めていたが、年を取っていらなくなったので売るようなケースです。
骨董品の仕入れ、転売、販売は事業(あるいは副業)になるため、本項の対象外です。
① 骨董品A 30万円で仕入れてメルカリで70万円で売却 骨董品B 30万円で仕入れてメルカリで80万円で売却 |
譲渡所得の金額 = (70+80) - (30+30) ― 特別控除(50万円)=40万円
課税対象になります。
② 骨董品A 30万円で仕入れてメルカリで70万円で売却 骨董品B 5万円で仕入れてメルカリで25万円で売却 |
譲渡所得の金額 = (70+25) - (30+5) ― 特別控除(50万円)=10万円
譲渡所得10万円なので課税対象に・・なりません。
骨董品Bは額面25万円、つまり「1個又は1組の価額が30万円超の譲渡」に該当しません。
したがって。骨董品Aのみ譲渡所得を計算します。
70-30-50(特別控除)=-10万円<0
となるため非課税になります。
③ 骨董品A 30万円で仕入れてメルカリで70万円で売却 骨董品B 10万円で仕入れてメルカリで35万円で売却 |
譲渡所得の金額 = (70+35) - (30+10) ― 特別控除(50万円)=15万円
A、Bともに額面30万円超で売却し、売上-経費(仕入れ)-控除>0なので譲渡所得がプラスになり課税対象、税務調査対象になります。
骨董品など高級品のメルカリ販売でも、実際に課税されるケースは少ないです。
しかし、あまり30万円超と思われる動産売買を行っていると、メルカリをチェックしている事務所に目をつけられて税務調査される可能性があります。
雑所得20万円超、事業所得48万円超のケース
単発の動産売買ではなく、本業や副業としてメルカリを行っている場合、副業の雑所得20万円超、事業規模で取引して事業所得が48万円を超える場合、小売として販売したのと同じ(店舗やネットショップがメルカリに変わっただけ)なので、当然課税対象であり、税務調査が入る可能性があります。
メルカリの取引に対する税務調査の可能性まとめ
メルカリに関する税務調査が入る可能性や課税対象の有無について表にまとめてみました。
内容 | 金額 | 課税有無 | 税務調査 | ||
---|---|---|---|---|---|
非営利目的 | 不用品売却 | 生活用動産 | 問わない | 非課税 | 低い |
貴金属、骨董品等 | 1点30万円以下 | 非課税 | 低い | ||
1点30万円超(30万円は含まない)で特別控除(50万円)以下 | 非課税 | あり | |||
1点30万円超(30万円は含まない)で特別控除(50万円)超 | 課税(譲渡所得) | あり | |||
営利目的 | 会社員の副業 | 転売、自作品販売 | 利益20万円以下 | 非課税 | 低い |
利益20万円超 | 課税(雑所得) | あり | |||
本業 | 利益48万円以下 | 非課税 | あり | ||
利益48万円超 | 課税(事業所得) | あり |
なぜネットオークションなのに税務調査に入られるのか?
そもそも匿名でも行えるメルカリでなぜ税務署が「この人はメルカリで多大な収入を得ている」と知り税務調査に入るのでしょうか?
職業として転売ヤーを行っている人=開業届や会社設立登記をしている人なら、他の事業者と同様に一定の確率で税務調査が入るのはわかるのですが、会社員や主婦がやっているメルカリにも税務調査が入ることがあります。
さすがに会社員の銀行の入出金まで把握できないのでは?と思われるかもしれませんが、現金の出入りがチェックされる可能性があります。
また、匿名取引が主になっているメルカリなどネットオークションやフリマアプリでは購入者から税務署への通報も非常に少ないはずです。
ではなぜ税務調査に入られてしまうのでしょうか?
事務所は常にネットパトロールなどをしていて、高額売買している転売業者などがチェックされることがあります。
しかし、事業性がない程度の売上で税務調査に入り、申告漏れや脱税を指摘されるのは、他の事情(相続や不動産売却)で税務調査に入り通帳をチェックされた時が多いようです。。
例えば、親の土地を相続して多額の相続税を支払った場合や不動産を売却した場合、高額の贈与を受けた場合などに税務調査が入り、通帳チェックから、メルカリの取引が発覚します。
何を売却したか聞かれて、生活用動産の売却でないことがバレれば、課税所得とみなされ税務調査の対象となります。
そのほかにもSNS(TwitterやFacebook、Instagramなど)で「メルカリを使って100万円で売れた!ラッキー」などと書き込んでしまうと、そこから税務調査が入る可能性があります。
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申告漏れや脱税を指摘されるとどうなるのか?
メルカリ取引であっても、税務調査が入り申告に誤りがあると指摘された場合、国家徴税権を行使され、拒めません。
修正申告書を作成して税務署に提出しなければなりません。
所得税を過少申告していた場合、不足していた税額や延滞税、過少申告加算税などを納めることになります。悪質と判断されると重加算税という重大なペナルティが科されます。メルカリで多大な利益を上げている転売ヤーは悪質と判断されやすい傾向にあります。
申告漏れや脱税が発覚すると、
不足していた税額(本来支払うべき税額) ・過少申告加算税:10% ・不申告加算税:15%~20% ・不納付加算税:10% ・延滞税:7.3%~14.6% ・重加算税:35%~40%(悪質な脱税の場合) |
これらを支払わなければなりません。
通常の税務調査による追徴課税は、事業者が一部売上を計上しなかったり、経費を多く計上したり、私的な飲食を交際費として計上したりしていたのが発覚して行われます。
メルカリの場合最初から利益が出ているのにまったく確定申告しないことが多く、より悪質性が高くなる、重加算税が課される可能性があることを認識してください。
もし職業として転売ヤーをしていて、一定レベル利益が出ているならば、会計処理を含めた確定申告が必要になります。
数百万円以上の売上があるなら、税理士をつけることも検討してください。
税理士ならば転売品を仕入れる「経費」や諸費用についても適切に計上するための指導ができます。
メルカリなどフリマアプリによる転売を職業にしている人は経営サポートプラスアルファに相談を
メルカリで転売して利益が出ている人を例にしましたが、自作のアクセサリーやクラフトを売って利益を出している人も同様です。
実店舗やネットショップがメルカリに変わっただけで小売りしていることは同じです。
当然、事業規模、副業規模に達しているなら確定申告が必要になり、帳簿作成や会計処理が必須です。
規模によらず税務調査が入る可能性があります。
会計について詳しくない、何をやったらよいのかわからない、転売で何を経費にできるかわからない、そういう方はぜひ専門家である税理士に相談してください。
税理士ならばメルカリをはじめとしたネットオークションについて適切な税務処理ができます。
経営サポートプラスアルファは会社設立専門の税理士法人ですが、メルカリなどの事情にも詳しく適切にアドバイスできます。
転売ヤーで一定規模の場合、個人事業主ではなく法人化して会社を設立した方が、節税になるケースもあります。
個人事業主のまま行くべきか、会社設立すべきか適切に指導し、顧問税理士として会計処理や税務申告を代行します。
「経営サポートプラスアルファ」では、土日祝日夜間も対応します。
また、遠隔地にお住まいの方はLINEやZOOM、チャットワークなどでもご相談いただけます。
生活用動産以外のものをメルカリで販売している方で、その金額が大きい場合は、税務調査が入る可能性があります。
ぜひ一度、経営サポートプラスアルファまでご相談ください。