個人事業主の決算月は、いつ?
個人事業主の決算月は、12月と決まっています。個人事業主の決算月は、決算書を作る理由などについて説明していきます。
または個人事業主が決算月を迎えた後に行う確定申告についても説明します。
一方で法人の決算月は、自由に決められます。法人における決算月についても簡単に解説していきます。
個人事業主が、経理処理するメリットについても説明します。
個人事業主の経理処理や経費処理についても説明します。
個人事業主の決算月は、12月
個人事業主の決算月は、12月と決まっています。個人事業主は一律で、事業年度が1月1日から12月31日です。
そのため決算月は12月で、決算日は12月31日です。
個人事業主であれば、誰でもこの決算月が決まっているため、勝手に決めてはいけません。
決算月が終わったらば、会計処理をして確定申告する必要があります。
決算とは
決算とは、一年の間に会社が得られた利益や経費そして資産状況をまとめることです。それらの情報は、決算書として文書化します。
決算書は、損益計算書や貸借対照表という書類を作成します。損益計算書は、いくらの収益があって、どれだけの経費がかかっているのかを表す書類です。
貸借対照表とは、現金がどれくらいあり、土地や建物などがどれくらいあり、借金がどれくらいあるかということを整理する資産に関する書類です。
個人事業主で、青色申告する場合には決算月になった後に、これらの書類を準備します。
決算月が12月ですので、翌年の1月から2月の間に、決算書をまとめ確定申告の準備をします。
個人事業主の決算月について
個人事業主の決算月は、誰でも12月と同じです。そのため税理士に確定申告を頼んでいる場合には、税理士が忙しい状況ということを把握しておく必要があります。
どの個人事業主も、決算月が同じため、税理士がこの時期忙しくなります。
個人事業主の確定申告であれば、自分で確定申告することも可能です。
freeeや、やよいの青色申告などの会計ソフトを使えば、簡単に確定申告書類が作れます。
個人事業主の決算月は12月ですが、あらかじめ普段から経費と収入についてソフトに入力しておくと確定申告の時期に、楽です。
決算月は12月だからといって、年末に処理を溜め込むのはやめましょう。
決算書を作る理由
個人事業主が決算書を作る理由は、以下の通りです。
- 税務署に確定申告するため
- 経営状況を把握するため
個人事業主が、決算月になり決算書を作るには、税務署に確定申告するためです。税務署に1年間でいくらの売り上げがあり、いくらの経費があり、いくらの収入があったのか申告する必要があります。
そのために、決算月の後には決算書を作る必要があるのです。
また個人事業主が決算書を作るには、経営状況を把握するという目的があります。
どれだけの売上があって、どれだけの経費がかかっているのかを、把握する必要があります。例えば売上が多くあって、税金がこのままではかかってしまう場合には、経費になるものを考える必要があります。
たとえば従業員の研修費用であったり、アウトソーシングする費用などを作るということです。
個人事業主が決算月を迎えたらすること
事業主は決算月を迎えたらすることは、以下の通りです。
- 決算書類の作成
- 確定申告実施
- 税金の支払い
個人事業主が決算月を迎えたあと、決算書類の作成をします。そして決算書類に基づいて確定申告の書類を用意し、確定申告を実施します。会社員であれば、会社が税務関係の処理はしてくれますが、個人事業主の場合は、自分で確定申告しないと、誰も税金の処理をしてくれません。
確定申告は、2月16日から3月15日までの間に行い、3月15日までに所得税を納付します。
以上が個人事業主が決算月を迎えたらすることです。
個人事業主の決算月の後に、行う確定申告
個人事業主の決算月の後に確定申告を行います。確定申告が必要かどうかは、以下の手順で判断します。
- 決算月になったら、その年の収入から経費を引いて所得を出します。
- 所得の金額から各種の所得控除を引きます。
- 2の金額を所得税の表から所得税額を計算します。
- 3の金額から税額控除を引きます
- 4の金額が1円以上なら確定申告の必要があり、0円なら確定申告は不要です。
ただし、源泉徴収で税金を多く支払っている場合には、確定申告すれば還付されるため、確定申告した方が良いでしょう。
以上が、個人事業主の決算月の後に行う確定申告についてです。
白色申告と青色申告それぞれのメリットとデメリット
個人事業主は、決算月になると確定申告する場合、白色申告と青色申告の方法があります。白色申告は、簡易簿記による申告で、青色申告は、複式簿記による申告です。
青色申告の場合には、貸借対照表や損益計算書などが必要です。
青色申告のメリットは、まず65万円か10万円の所得控除を受けられるという点です。通常の複式簿記による申告をすれば65万円の控除を受けられますが、取引を簡易簿記で記録した場合には10万円になります。
その他の青色申告のメリットは、赤字を3年間繰り越せます。赤字、赤字と続いた年の次に黒字だったとしても、その年に赤字を繰り越すことが可能なのです。
決算月の後に、確定申告する場合、青色申告にすると家族への給与所得を経費にすることが可能です。家族への給料は、白色申告の場合には配偶者86万円、その他の親族は50万円までは経費として認められます。しかし、青色申告の場合には、経費として認められる上限の設定がありません。
青色申告のデメリットとしては、複式簿記での記録が必要ということです。しかし市販のオンラインソフトを使えば簡単に「仕訳帳」と「総勘定元帳」が作成できます。
白色申告のメリットとしては、簡易簿記であるため記録がとても簡単に済むということです。
白色申告のデメリットとしては、青色申告のメリットである所得控除や3年間の赤字を繰り越すことなどができないということです。
以上が、「個人事業主が決算月の後、確定申告にする際の、白色申告と青色申告のメリットとデメリットについて」です。
個人事業主が納める税金について
個人事業主が、決算月の後、確定申告をし、納付する税金は4種類あります。
個人事業主が納付する税金は、所得税、消費税、住民税、個人事業税です。
所得税は最も多い税金で、1年のうちの所得に対して、支払われる税金です。個人事業主の所得税は累進課税となっており、所得が増えれば増えるほど、税金が増える仕組みとなっています。
消費税は売上1,000万以上の場合に、課税される税金です。現在は売上の10%が消費税として納税する必要があります。
住民税は、事務所の所属する都道府県、市区町村に納付する税金です。個人事業税は、事業の所得に対して支払われる税金です。ただし、事業所得が290万円までの方はかかりません。
以上が、個人事業主が決算月の後、確定申告し、納付する税金の種類です。
法人の決算月について
法人の決算月は、個人事業主の決算月とは違い自由に設定できます。一般的には3月の決算月が多いイメージですが、実際にはその他の月にも分散されています。
企業の決算月の分布を調べると大企業の場合には3月の決算月が多くなっていますが、大企業以外はそれ以外の決算月も多くなっています。
法人の決算月の決め方はさまざまです。
例えば、消費税の免税期間を考慮した決算月の決め方があります。消費税の免税期間は2年度の間行われます。会社を設立した月から決算月が最も遠くなるような月を設定することで、消費税の免税期間が長くなります。
その他には、税理士や公認会計士の忙しい時期を避けるという決算月の決め方もあります。法人で多い3月決算の月を避けたり、個人事業主の確定申告の時期を避けたりする方法です。
その他には、繁忙期を避けるという決算月の決め方もあります。繁忙期は会社での仕事が多く、決算に回すマンパワーが足らない場合があります。そのため繁忙期を避けて、決算月を決めるという方法もあります。
以上が、法人の場合の決算月と個人事業主の決算月の違いについてです。
法人の決算手続きについて
法人の決算手続きは以下のようになっています。
日頃、取引が発生すると、仕分けを行います。そのときに、仕訳帳か伝票に記録します。そして、総勘定元帳に転記します。
いざ、決算月がやってきて、決算手続きする際、試算表を作成し、決算整理を行い、清算表を作成し、決算処理のための「損益計算書」と「貸借対照表」を作成します。そして、勘定の締め切りを行います。
個人事業主から会社設立後に決算月を決める
個人事業主から法人成りして会社設立した後に、決算月を決めます。個人事業主の時には1月1日から12月31日と事業年度が決まっており、決算月も12月と決まっていました。
しかし会社設立すれば、自分の都合のよい決算月を決められます。
棚卸商品があるような場合には、棚卸の少ない時期に決算月をして、手間を少なくしたりもできます。
個人事業主で収入を多くなってきた場合には、法人成りして会社設立するのがおすすめですが、その際に決算月を決める必要があるのを、覚えておきましょう。
個人事業主が経理処理する目的
個人事業主が、経理処理する目的は、確定申告における税務処理が必要なためです。そして複式簿記をつければ、青色申告が可能になってきます。
普段の取引から経理処理するのは、その確定申告の為と、何に経費が使えるかを判断するためです。
またパソコンなどの固定資産となるものに関しては、減価償却の計算をしていく必要があります。個人事業を運営していく上で経費が何になるのか、固定資産が何になるかということを常に把握している必要があります。
以上が、「個人事業主が経理処理する目的」です。
個人事業主の決算内容
個人事業主が決算月を迎えて行う決算は、次のような記載をします。
棚卸表の作成。決算日に残っている在庫の数を数え、どれだけの資産があるかをまとめます。
次に帳簿の確認をします。帳簿に書かれている内容と実際の領収書などがあっているか確かめます。
そして、次に減価償却の計算をします。建物や車両運搬具、機械装置などの金額は、そのまま経費になるわけではなく、減価償却費が経費になります。
そして収支内訳書の作成をします。帳簿や棚卸表などから、作成していきます。青色申告の場合には、青色申告決算書にあたります。
以上が、個人事業主の決算内容です。
個人事業主の経費処理について
決算月までの間の個人事業主の経費処理については、証拠となる領収書などが必要です。
領収書などには、以下のような内容が書いてあるものを保存しておきます。
- 支払った日付
- 支払った人の名前や開業名(宛名)
- 支払い金額
- 支出内容
- 支払いを受けた人の名前や開業名と所在地
領収書が発行できない場合や、クレジットカードを利用した場合などはクレジットカードの利用明細も証拠となります。
その他には、振り込みをした際の、振込伝票も証拠となるので保存しておきましょう。
電車やバスなどの交通機関を使った場合には、出金伝票を作成しておくことで証拠となります。
以上が、個人事業主の経費処理について必要なものです。
【まとめ】個人事業主の決算月は、12月に固定
個人事業主の決算月は12月に固定されています。個人事業主の決算月はすべての個人事業に同一で決められており、自分で自由に決めることはできません。
決算月の12月を経たならば、決算書を作成し確定申告していく必要があります。
個人事業主が決算書を作成する目的は、確定申告するためと、経営状況を把握するためです。
個人事業主の確定申告には、青色申告と白色申告の方法があります。複式簿記をつける必要がありますが、さまざまなメリットがあるため青色申告がおすすめです。
個人事業主で、ある一定の収入が得られたならば、法人化するのも良いでしょう。
法人化した場合の決算月は、自由に決められます。
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個人事業主の決算月について見てきました。個人事業主から会社設立するかどうかの相談など、専門家に問い合わせるのは、安心です。
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