都市部で会社設立したい人は多いはずです。
東京都内は家賃的に難しいけれども、その周辺県であればなんとかなりそうという人も多いはずです。
今回は、東京都の周辺県である千葉での会社設立について考えます。
もし、東京都内とそれほど変わらないメリットを享受できるならば、千葉での会社設立も大いに検討に値すべきものだと考えます。
今回は千葉県の特殊事情も鑑み、千葉における会社設立について考えてみましょう。
会社設立によって、みなさまの事業がさらに発展するならば素晴らしい選択だと言えます。
千葉を含めた都心部で会社設立するメリットとデメリット
まず、千葉を含めた都心部、東京都市圏で会社設立をするメリットとデメリットをまとめました。
都市部特有の事情はメリットにもなり、デメリットにもなります。
メリット | デメリット |
---|---|
ビジネスチャンスが多い | 地価、家賃、物価等が高い |
ブランド力、信用力が高くなる | ライバル企業が多い |
人脈、ネットワークが構築しやすい | |
交通網が発達していてアクセスしやすい |
都市部は人が多いので、潜在的な顧客も多く、大きなビジネスチャンスになります。
また、「東京」「横浜市」などはブランドイメージがあり、そこで会社設立していることは、一定の安心感を顧客、クライアントに与えることができます。
千葉でも「幕張」(千葉市花見川区)や「市川市」「浦安市」ならばそれには及ばないものの、都心部に近いブランドイメージが得られるでしょう。
異業種交流会など新しいネットワークを構築できるチャンスも多く、電車網が発達しているので、どこへでもアクセスしやすいという特徴もあります。
逆に、人口が多いということは、当然ライバル企業も多く、競争が激しくなります。
異業種とのシナジー効果は期待できるが、同業種との競争が激しくなるという面があり、どちらを優先するかでかなり迷います。
土地の価格や家賃が高いのは当然デメリットとして挙げられます。
高い家賃を問題としないくらい、売上、利益を上げられるかどうかが重要になります。
千葉と東京、会社設立する場合はどこが違うのか?
家賃さえしっかり支払うことができれば、東京都内で会社設立してもいいはずです。
もちろん、事務所だけでなく、自宅も東京都内ということであれば、かなりの出費になります。
千葉で会社設立することは、高額な家賃を支払う東京での会社設立をやめても十分ペイできるものなのでしょうか?
千葉と東京、両者の違いを考えてみます。
千葉県は大きく分けて3つに分かれる~特殊事情を理解しよう
実は千葉県は「東葛県」「房総県」「銚子県」の3つの県が一緒になってできていると言われるくらい、文化が違います。
またビジネス環境も異なるので注意が必要です。
千葉県はこのように分類されます。
北西部 |
東葛地域 |
船橋、松戸、市川、柏 |
昔の下総 |
「千葉都民」が多く、東京へのアクセス良好 |
千葉市周辺 |
千葉市、市原 |
千葉市周辺で働く人も多い |
||
東部 |
|
銚子、九十九里 |
昔の上総 |
漁業中心、都心へのアクセスが厳しい |
南部 |
|
木更津、館山、鴨川 |
昔の安房 |
文化圏として別。東京ヘは2時間以上かかる |
都市圏と言えそうなのは「北西部」のみで、あとは田舎とほぼ同じです。
東京都内に出てくることも難しく、電車で2時間~3時間かかります。
船橋や市川、松戸、柏当たりならば「千葉都民」も多く、商業圏としては東京とほぼ同じです。
足立区や葛飾区で会社設立をするよりは、船橋市や市川市で会社設立をした方がイメージ的にも、さまざまなチャンスから言っても好ましいです。
千葉市までは何とか都市部と言えるところになります。
JRの場合、千葉駅までは5分に1本、JR総武線などが来ますが、千葉駅以南は、1時間に2、3本の電車しかなくなります。
館山や鴨川は、東京都内から直通電車もほとんどなく、乗り換え(各駅)を繰り返し、3時間くらいかかることもあります。
東京都市圏で会社設立をする、ただし千葉で、というの場合の「千葉」は北西部のみだとイメージしてください。
そのほかの場合、実際の商業圏や周囲の環境は茨城県や栃木県などと変わらないものとなります。
地価、家賃が安い
千葉の家賃についてみてみましょう。
千葉の各地域(上述)と東京駅周辺(丸の内、日比谷・有楽町、霞が関)を比較してみましょう。
以下はオフィスの「坪単価」の比較表です。
「賃貸オフィス・賃貸事務所のオフィスター」を参照(2022年2月7日付単価)
エリア名 |
30坪以下 |
30~50坪 |
50~100坪 |
100~300坪 |
300坪以上 |
千葉 |
10,763円 |
9,645円 |
10,711円 |
11,358円 |
7,483円 |
船橋・西船橋・市川 |
12,093円 |
13,871円 |
14,978円 |
10,366円 |
– |
柏・松戸 |
10,474円 |
10,364円 |
13,175円 |
18,590円 |
|
千葉県その他 |
9,787円 |
10,856円 |
7,254円 |
5,941円 |
3,377円 |
丸の内 |
38,000円 |
40,600円 |
33,500円 |
41,385円 |
42,056円 |
有楽町・日比谷 |
43,138円 |
28,000円 |
33,500円 |
29,000円 |
44,000円 |
霞が関・内幸町 |
49,789円 |
29,580円 |
29,143円 |
28,133円 |
26,571円 |
江戸川区 |
11,406円 |
10,549円 |
11,657円 |
10,164円 |
7,500円 |
足立区(綾瀬・北千住) |
12,959円 |
10,519円 |
13,156円 |
12,980円 |
13,225円 |
葛飾区 |
11,979円 |
10,710円 |
9,460円 |
6,953円 |
|
東京に近づくほど家賃は上がっていきます。
船橋や市川でも家賃は、江戸川区や足立区など、城東の区(足立区、葛飾区、江戸川区など)とほぼ同じです。
同じならば、イメージの良い東葛地域で会社設立をするメリットはありそうです。
千葉市になると、城東の区よりもさらに家賃が下がります。
あえて、「東京都」という住所に拘らず、東京都市圏で働きたい場合は、千葉市でも十分だといえます。
それ以外の千葉県の場合、家賃相場は東京都心部の4分の1~5分の1になります。
東京じゃなければ絶対に嫌だ、という人でない限り、千葉は有力な会社設立の選択肢になるはずです。
千葉で会社設立することで得られるメリットは?
千葉、特に千葉県北西部(東葛地域+千葉市)で会社設立するメリットは、最初に紹介した都心部で会社設立するメリットに加え、東京都との比較で分かった明らかに低い家賃ということになります。
つまり
- ビジネスチャンスが多い
- ブランド力、信用力が高くなる
- 人脈、ネットワークが構築しやすい
- 交通網が発達していてアクセスしやすい
- 東京よりも地価が安い(東京都だと足立区や江戸川区と同じくらいの地価かそれより安い)
- 足立区や江戸川区と比較すれば、千葉北西部の方が圧倒的に「都会」である
ということになります。
もっと言うと、よくネタにされますが、千葉県なのに「東京●●」という施設が多いのも特徴ですね。
資金面で余裕があり、売上も期待できるなら東京都心部で開業しても構いませんが、そうでないならば、東京に拘りアクセスが悪い場所で開業するよりも、東海道新幹線も通っていて、各方面へアクセスが抜群な横浜で開業するメリットは大きいと考えます。
千葉で会社設立する2つの方法
会社設立は、「実際にその場所に事務所を構える」という通常イメージされる方法に加え、「登記上の住所だけそこにする」というある種「裏技」的な方法があります。
実際に千葉(特に北西部)で働いて、都市部のビジネスチャンスや人的なネットワークを活用したい場合は前者になりますが、「千葉で会社設立登記している」という事実だけを手に入れることもできます。
千葉県でも北西部以外の生活に耐えられるなら、普通に会社設立してそこで働くという選択肢もあります。
対外的な会社設立住所が「千葉県」でよければ、安い地価で事務所を借りられるところはたくさんあります。
千葉で会社設立する2つの方法を紹介します。
千葉で事務所を借り実際に仕事をする
上で記したように、千葉県でも千葉市や東葛地域の家賃は、東京23区の周辺部と変わりません。
しかも、圧倒的に商業地やオフィス街も多いため、「東京都」に拘らなければ、何の問題もなく、大都市部のメリットを享受できるはずです。
千葉にある事務所を借りて、オフィスワークを行います。
千葉市や船橋市、市川市であれば、東京の周辺区以上の環境で働くことができ、かつ東京23区周辺区と同等(かそれ以下)の家賃で働くことができます。
これは大きなメリットになります。
千葉にある「バーチャルオフィス」を会社設立時の本店にする
「会社の登記が千葉にある」ことだけでよいなら、「バーチャルオフィス」を借りるという方法もあります。
実際には、東京都市圏のオフィスで働かず、地方(あるいは自宅)で事業を行います。
「バーチャルオフィス」とは、あまり聞きなれないかもしれませんが、実際の事務所、オフィススペースがない(あるいは共用スペースのみ)「私書箱」のようなイメージです。
バーチャルオフィスには、実在する千葉の住所の私書箱(郵便受け)+電話や郵便の転送サービス+貸しスペースなどがあります。
バーチャルオフィスを会社設立時に、本店として登記することは合法なのでご安心ください。
実際には地方の事務所で働いているのに、(登記簿謄本を取った)クライアントから見ると、千葉にオフィスがあり、そこで働いているようにみえます。
これがバーチャルオフィス最大のメリットです。
法務局で登記簿謄本を取る、あるいは国税庁サイトで会社名を検索すると、「千葉に本店がある会社」だと表示されるので、東京都市圏に会社があるというブランドイメージを得られます。
バーチャルオフィスの月額利用料(家賃に相当)は1万円~2万円でとても安く、東京都内よりも千葉のバーチャルオフィス利用料の方がさらに低めです。
バーチャルオフィスを利用することで、「千葉の会社」事業者になれます。
千葉の会社設立支援制度を紹介
千葉の公的な会社設立支援制度について紹介します。
千葉といっても広いので「千葉県」と千葉市の公的な会社設立支援制度について紹介します。
そのほかの千葉県の自治体でも似たような制度はあるはずです。
千葉県の会社設立支援制度
サービス |
内容 |
チャレンジ企業支援センターでは創業専門のプロジェクトマネージャーを配置し、相談する。創業のための事業計画書の作成法やビジネスモデルについてのアドバイスを行う。 |
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千葉県内で新規開業をしようとする方、または創業後5年未満の方が対象となる融資。バーチャルオフィスOK。県外在住OK。 |
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会社設立した経営者向け異業種交流会や応援イベントの開催 |
千葉市の会社設立支援制度
会社設立時に融資や補助金を有利な条件で受けられるのは大きなメリットになります。
これらも上手に活用して、千葉での会社設立成功につなげてください。
千葉で会社設立を希望される方は「経営サポートプラスアルファ」に相談してください
千葉は東京に隣接しますが、東京都心部へアクセスが容易な「北西部」と、非常に時間がかかるその他(北東部、南部)に分かれます。
東京都内は家賃が高いが、都市圏の恩恵を受けたいという方は、北西部で会社設立を目指してください。
家賃も低く、かつ東京都内周辺区よりもオフィス環境の良い千葉県北西部で実際に事務所を借りて会社設立をするのは合理的な選択になります。
もちろん、もっとお金を節約できる方法として、登記上の住所だけを千葉して別の場所で働く「バーチャルオフィス」という手法があります。
千葉で会社設立をするメリットを最大化し、デメリットを最小化するためには、専門家のアドバイスを交えてご判断されることをおすすめします。
「経営サポートプラスアルファ」には、会社設立のプロフェッショナルが多数揃っていて、実際に千葉(北西部)に事務所を構えて会社設立するべきか、あるいはほかの場所や「バーチャルオフィス」のチョイスもあり得るのかなど総合的にアドバイスします。
千葉で会社設立すると決めた場合、会社設立登記そのもののサポートや手続き代行もお手伝いさせていただきます。
会社設立後についても、税務、会計、確定申告等もやらせていただきます。
「経営サポートプラスアルファ」は土日祝日夜間も対応します。
また、遠隔地にお住まいの方は、LINEやZOOM、チャットワークなどでも対応できますのでご安心ください。
千葉という「地の利」を最大限生かした会社設立をする皆様を応援させていただきます。