会社を設立する際は、会社設立日の日にちをいつにするかというのも気になることでしょう。
会社設立日は、基本的に好きなように決めることができるため、記念日や縁起の良い日などに設定している企業も意外と多いです。
また会社設立日によっては、節税効果を狙うこともできます。
今回は会社設立日の日にちはいつが良いのかということを中心に、詳しくみて行きたいと思います。
会社設立日ってどんなもの?日にちはいつが良い?
会社を設立するためには、会社設立日を明確に定める必要があります。
では会社設立日とは会社にとってどのようなものなのでしょうか?
またどうやって決めているのでしょうか?
会社設立日について解説していきます。
会社設立日とは?
会社設立日とは、法務局に登記申請を行った日のことを言います。
登録申請は定款認証後であれば、好きな日にちを指定することができるため、こだわりを持って会社設立日を設定する起業家も多くいるようです。
しかし登録方法によっては登録申請日が変わってきますので注意しましょう。
- 法務局窓口での申請:法務局に申請を行った日が会社設立日
- 郵送での申請:法務局に書類が到着した日が会社設立日
- ネットでの申請:オンライン申請した日が会社設立日
特に郵送で申請した場合、夜間に書類が到着してしまうと、会社設立日は法務局の職員が書類を受け取った日になってしまうので、ズレてしまう可能性があります。
希望の日にちがある場合はご注意ください。
土日祝日はNG
法務局は土日祝日には受付を休業します。
そのため土日祝日には、登記申請を受理してもらうことができません。
つまり、土日祝日は会社設立日にすることができないということになります。
ネットや郵送で土日祝日に申請しても、法務部の職員がチェックするの翌営業日になりますので、その日が会社設立日になってしまうのです。
会社設立日の決め方
多くの会社は会社設立日を以下のような観点で決めています。
- 縁起が良い日
- 節税効果がある日
縁起が良い日を選んで会社設立日に設定している会社は意外と多いです。
例えば自分の誕生日に設定したり、末広がりの8が付く日にち、大安などの暦上の記念日などを選んでいる企業が多くあります。
また会社設立日によっては節税効果がある場合があります。
消費税の免除期間が伸びたり、均等割を利用して住民税を節税したりと様々な方法があるのです。
無造作に会社設立日を決めている会社以外は、主に上記の二つの決め方をしています。
会社設立日と勘違いしやすいもの
度々会社設立日と勘違いしやすい日にちがあります。
- 登録完了日
- 事業開始日
- 決算日
登録完了日は法務局に申請した登記が完了した日を指します。
登記申請をすると、法務局の職員が提出された書類をチェックする作業に入ります。
それらのチェックが完了した日が、登録完了日です。
事業開始日は税金の計算時に参照される日付を指します。
税金の種類によって事業開始日は異なりますのでご注意ください。
- 所得税:一般的には事業を開始した日
- 消費税:一般的には会社設立日
- 法人税:一般的には会社設立日
基本的に会社設立日からすぐに事業を始められるわけではありません。
事業を始めるためには法人銀行口座を作る必要があります。
そのため、事業の開始は会社設立日から1週間程度かかるので、覚えておくと良いでしょう。
決算日は企業の会計状況を開示する日のことです。
基本的に定款作成時に会計年度を定める必要がありますが、会社設立日から1年以内であれば自由に設定することができます。
上記の3つは、会社設立日とは全く定義が異なりますので、混乱しないように是非覚えておいてください。
会社設立日はいつがいい?縁起の良い日にちとは?
これから会社を設立する際に、会社設立日をいつにするべきか迷うことでしょう。
縁起や記念日を考慮して会社設立日を設定している企業はかなり多くあります。
そこで会社設立日に設定すると縁起が良い日にちをご紹介していきます。
暦の上で縁起が良い日
会社設立日を縁起の良い日に設定したいと考えている方は、暦を参考にすることをオススメします。
カレンダーを見るとたくさんの記念日が記されていますが、その中でも特にオススメの日にちが「大安」です。
大安は江戸時代に広がった「六曜」という考え方に登場する記念日で、何をするにも良い日付だとされています。
「大安吉日」という言葉もあるくらいなので、迷ったらこの日を選んでみても良いでしょう。
また物事を始めるのに良いとされている「一粒万倍日」も縁起が良いと言えます。
特に「一粒万倍日」は、一粒の籾から何万粒もの稲穂になることから由来が来ており、新しいビジネスで大金を掴もうという志の人には最適です。
この他にも金運がアップする「寅の日」、新しいことを始める吉日「新月」など縁起の良い日はたくさんあるので、色々検討してみると良いでしょう。
自分の誕生日などの記念日
自分の誕生日と起業を考えている日にちが近ければ、自分の誕生日を会社設立日に設定する人も多いです。
自分の誕生日に会社設立日を設定してしまえば、忘れることもありません。
また会社発足メンバーが集まった日などを記念日として、会社設立日に設定する会社もあります。
語呂が良い日
語呂が良い日も会社設立日に設定されやすいです。
企業に関係する語呂が良い日としては、2月9日(福の日)、10月2日(永遠の日)などが挙げられます。
この他にも様々な語呂が考えられるので、選択肢はかなり広くなってくるでしょう。
避けた方が良い日にちは?
逆に会社設立日に設定しない方がいい、縁起が悪い日もあります。
それは「仏滅」です。
仏滅は、先ほど大安の解説の際に出てきた「六曜」の一つで、最も運気が下がる日だと言われています。
会社設立日を設定する際は、この日付を避けた方が良いでしょう。
会社設立日で節税が可能?日にちはいつがより節税できる?
先ほど会社設立日によっては節税が可能だという説明をしました。
では会社設立日の日にちをいつに設定するのが1番節税につながるのでしょうか?
会社設立日による節税対策について解説していきます。
消費税の免除期間を長くすることが可能
会社設立1年目は、資本金が1000万円未満であれば消費税が免除されます。
場合によっては2年目も消費税が免除される可能性があるのです。
その条件を以下にまとめてみました。
- 事業開始後1期目の上半期の課税売上高が1000万円以下
- 事業開始後1期目の上半期の給与等の支払総額が1000万円以下
会社設立2年目も消費税を免除するためには、初年度上半期の課税売り上げを1000万円以下に抑えれば良いのです。
例えば月の売り上げが200万円、決算日が3月の会社があるとします。
その場合、6月末ごろを会社設立日に設定すれば、上半期の売り上げが1000万円を超えることはありません。
もし2年目も消費税免除を狙うのであれば、上半期の売り上げが1000万円を超えないように会社設立日を設定することをオススメします。
均等割を利用して住民税を節約
会社を設立すると、たとえ赤字であったとしても住民税を払わなくてはなりません。
例えば東京都特別区で、資本金1000万円以下の会社を設立したとします。
その場合支払うべき住民税は、年間7万円。
住民税の均等割は、事業年度が1年未満である場合、月割りされます。
その際、1ヶ月未満の月は波数として切り捨てられます。
先ほど設立した会社の会社設立日が4月1日だった場合、4月も住民税の均等割の対象になります。
しかし4月2日に会社が設立された場合、1ヶ月未満となりますので、4月は切り捨てられます。
つまり2日以降を会社設立日に設定すれば、住民税の均等割を1ヶ月分節約することができるのです。
少しでも税金を節約したいという方は、是非覚えておきましょう。
会社設立日はいつ?登録した日にちの確認方法
登記申請が完了すると、その日が会社設立日となります。
実際しっかり手続きが完了しているか調べたい場合もあるでしょう。
この章では会社設立日を調べる方法について解説していきます。
ただし手続き方法やタイミングによっては、会社設立日が前後する可能性もありますのでご注意ください。
法務局の公式サイト
会社設立日を確認する手段としては、法務局の公式サイトを調べれば確認できます。
各都道府県の法務局公式サイトにて、申請日別の登記完了予定日が掲載されています。
実際に法務局に出向くことなく調べることができるので、早く会社設立日を調べたいという方は法務局の公式サイトを調べてみましょう。
法務局に直接問い合わせる
会社設立日を確認する方法としては、法務局に直接電話をして問い合わせるという方法もあります。
法務局の公式サイトで調べていると、自分の会社名が見つからなかったりと、結局会社設立日がいつなのかわからないという状況もあるでしょう。
法務局に電話で問い合わせれば、確実な情報が手に入るので、早く正情報を手に入れたいという方は是非試してみてください。
まとめ
今回は会社設立日の日にちはいつが良いのかという点を中心に解説してきました。
会社設立日の決め方としては、縁起の良い日や記念日に合わせる方法と、節税対策を狙って設定する方法があります。
基本的に会社設立日は、登記申請をした日に設定されますので、申請のタイミングを調整すれば、会社設立日を好きな日にすることができるのです。
もし自分の中でこだわりがあったり、節税対策を徹底したいという方は、この記事を参考に、会社設立日を設定してみてください。