会社設立を検討している人の中には弁護士への依頼を考えている人がいるかもしれません。しかし、弁護士は会社設立に対応してくれるのか、どんなメリットや注意点があるのか知りたい人は多いでしょう。
この記事では会社設立を弁護士に頼むことについて、知っておきたいポイントをまとめました。
会社設立を弁護士に依頼できるのか？
会社設立を弁護士に依頼することができるのか紹介しましょう。
弁護士には会社設立の書類作成や申請のサポートを依頼できる
弁護士は会社設立について書類作成から申請のサポートまで対応することが可能です。会社設立をするためには法人の設立登記が必要であり、登記業務は司法書士の独占業務とされています。ただし、弁護士については弁護士法によってすべての法律事務を職務とすることが認められているのです。したがって、弁護士が司法書士の代わりに設立登記の業務をすることができます。
弁護士は幅広い法律事務をこなすことができる専門家のため、会社設立に関する書類作成や申請をサポートできるのです。
会社設立に関連した法的問題へのアドバイスやサポートを受けられる
弁護士は法律の専門家のため、会社設立に関連して法的問題を解決したり未然に防いだりするためのアドバイスやサポートを実施できます。
会社設立をする際にはさまざまな法律の知識を持っていることが大切であり、トラブルを防ぐための対策を未然にしておくことが求められるのです。
労働問題や損害賠償、会社法違反などさまざまな法的問題が起きるケースがあります。
弁護士であれば、あらかじめどういった法的問題があるのか教えてくれるでしょう。
どういった対策を取ればいいのか適切なアドバイスもしてくれるのです。
弁護士は他の士業と連携して会社設立をサポートしてくれる
弁護士は会社設立に関連する多くの業務を担当することが可能です。ただし、一部の業務については弁護士では対応できないケースもあります。そのような場合でも、弁護士は他の士業と連携することが可能です。
多くの弁護士事務所では、司法書士や社会保険労務士、税理士といった他士業との連携を進めています。そのため、弁護士に依頼すれば、必要なときに他の士業を紹介してもらうこともできるのです。
会社設立を弁護士に依頼するメリット
これから会社設立を弁護士に依頼することのメリットを紹介しましょう。
会社設立後には顧問弁護士になってもらえる
会社設立のサポートを弁護士に依頼すると、そのまま引き続き顧問弁護士になってもらうことも可能です。会社設立を助けてくれた弁護士であれば、会社の実情を理解していて、人柄などもわかるため、顧問弁護士になってもらうのは都合が良いでしょう。
安心して顧問弁護士を任せることができます。
顧問弁護士がいれば下記のようなメリットがあります。
- いつでも気軽に相談できる
- 法的問題について事前に予防や対策ができる
- 法的トラブルが起きたときにスムーズに対処できる
顧問弁護士がいると助かる場面はたくさんあるのです。会社設立を弁護士に依頼することでスムーズに顧問弁護士になってもらうことができます。
会社設立前の段階で法的アドバイスを受けると後のトラブル予防につながる
会社設立をする際には設立後のことをしっかり考えておくべきです。将来のことを考えずに会社設立をすると後でさまざまな問題が生じる可能性があります。あらかじめ将来どういったリスクがあるのかを会社設立前理解して、後のトラブルを予防することが大切です。
会社設立で弁護士に相談をすれば、会社運営に関わる法律や法的問題の具体的な事例を教えてもらえます。さらに弁護士から具体的な法的アドバイスを受けることができるため、将来のトラブルへの万全な対策ができるのです。
すべての手続きを一括で任せられる
弁護士であれば会社設立に関する幅広い手続きを担当することができます。定款の作成から設立登記の書類の作成、さらに申請まで行うことができるのです。設立後に必要な各種手続きについても弁護士にサポートしてもらうことができます。
会社設立の手続きについて、弁護士に一括で任せることができるのが大きなメリットです。
会社設立を弁護士に任せる際の注意点
会社設立を弁護士に依頼する際に注意する点について教えましょう。
費用がかかりやすい
会社設立を弁護士に任せる際には費用が高くなりやすいです。
弁護士は他の士業と比較しても費用が高い傾向にあります。そのため、これから弁護士に依頼したい場合は、あらかじめどのくらいの費用がかかるのか確認しておきましょう。また、他の士業の費用も確認して、弁護士に依頼するべきかどうかよく検討してください。もし会社設立の費用を抑えたいのであれば、弁護士以外の選択肢についても考えておくべきです。
ただし、弁護士の費用は企業の規模や事業内容などによって変動することがあります。それぞれの弁護士事務所ごとに同じ案件でも異なる費用が提示されることもあるのです。そのため、あらかじめどのくらいの弁護士費用がかかるか見積もりをもらうことをおすすめします。
会社設立を専門としない弁護士がほとんど
弁護士は幅広い分野の仕事を担当することができます。ただし、すべての分野に精通しているわけではありません。弁護士がよく担当する案件としては、交通事故や債務整理、刑事事件、離婚、相続などがあります。これらは法律に関連したよくある事件であり、弁護士には毎日のように多数の依頼や相談が寄せられるのです。
一方、会社設立を弁護士に依頼する人はあまりいません。そのため、過去に会社設立に関連した仕事をしたことのない弁護士は多いです。
基本的に弁護士のほとんどが会社設立を専門とはしていないのです。もちろん、法的には弁護士が会社設立関連の法律事務を担当することはできます。しかし、実際のところは多くの弁護士にとって会社設立の書類作成や申請などの手続きは馴染みがないのです。
弁護士は基本的に会社設立を専門としていない点をよく理解しておきましょう。
顧問契約を前提としているケースが多い
これから会社設立を弁護士に依頼する際には、単に書類作成や申請のサポートだけを受けたいという人がいるかもしれません。しかし、実際のところ、弁護士が会社設立を請け負う際には、顧問契約を前提としているケースが多いです。
単発で会社設立の手続きの案件のみを請け負うよりも、顧問契約をして継続的に業務を担当する方が弁護士にとって都合が良いからです。
もちろん、顧問契約をしなくても会社設立に対応してくれる弁護士もいます。しかし、この場合は顧問契約をした場合と比較して費用が高くなることが多いです。
会社設立のための弁護士選びのポイント
会社設立のための弁護士を選ぶためのポイントについて解説しましょう。
過去の実績や得意分野を調べておく
日本には数多くの弁護士が存在しています。
それぞれの弁護士ごとに能力や知識、実績などは異なっているため注意しましょう。弁護士は幅広い分野の案件を扱っているため、会社設立についての実績の有無を確認することは特に大切です。これまで会社設立をまったく取り扱ったことのない弁護士よりも、会社設立をサポートした実績豊富な弁護士の方が信頼できます。その弁護士が何を得意分野としていて、これまでにどのような仕事をしてきたのか詳しく確認すると良いです。
交通事故や債務整理といった一般的な事件であれば、それほど専門性は要求されません。一方、会社設立や会社経営に関することは、さまざまな法律がかかわり、豊富な知識と経験が求められるのです。そのような弁護士に依頼しないと間違えた助言を受けてしまい、会社経営を始めてからトラブルが発生するリスクもあります。
会社設立や会社経営のサポートを受けたい場合は、企業法務やビジネス法務などを専門としている弁護士を探しましょう。
しっかりと時間をかけて相談をする
どのような案件について弁護士に相談する場合にも共通するのはじっくりと時間をかけてコミュニケーションを取ることです。
弁護士に相談する当日は、きちんと目的を伝えましょう。疑問点や不安点については細かな点もしっかりと質問をして専門家としての回答を引き出すことが大切です。また、相談をしながら弁護士の人柄や話しやすさなどにも注目すると良いでしょう。しっかりと時間をかけて相談することで、さまざまなことが見えてくるのです。
弁護士に相談をする際には、あらかじめきちんと準備をしておくことも大切です。会社設立に関して必要な資料は整理しておきましょう。設立したい会社に関する基本的な事項だけではなく、会社設立後の展望や事業計画などもわかりやすくまとめておくと良いです。
会社に関して情報を簡潔にわかりやすく伝えることで、弁護士は効果的なアドバイスができます。
価格だけにこだわらない
弁護士を選ぶ際には費用を重視する人が多いです。そのため、中には弁護士費用だけに注目して、それぞれの弁護士にかかる費用を比較して決めようとする人もいます。しかし、弁護士を選ぶ際には価格だけにこだわることはあまりおすすめできません。いくら価格が安いからといって、肝心の仕事の質が低ければ意味がないからです。そのため、弁護士を選ぶ際には価格だけではなく他の要素も踏まえて総合的に判断することを意識しましょう。
そもそも弁護士費用は多くの要素が影響を与えます。基本的に弁護士の仕事はオーダーメイドの要素が強いため、クライアントが希望する内容によって費用は高くなるケースもあるのです。大切なことは自分たちが求めている結果を出してくれることです。そのためならば、多少は弁護士費用が高くついたとしても仕方がないと考えましょう。
きちんと価格について疑問があれば説明をしてもらい納得できるかどうかが大切です。
まとめ
会社設立を弁護士に依頼することは可能です。
法律の専門家である弁護士ならば、法的な問題の予防策をアドバイスすることもできます。ただし、弁護士は基本的に会社設立の専門家ではないことに注意しましょう。会社設立の手続きについて、ほとんど実績のない弁護士もいます。
もし会社設立を弁護士に相談することに不安を感じる人は経営サポートプラスアルファにご相談ください。
経営サポートプラスアルファであればこれまでに会社設立をサポートした豊富な実績があります。
相談は無料で対応できるため、いつでも経営サポートプラスアルファへお問い合わせください。