【税理士が解説】人材紹介会社設立の完全ガイド

人材紹介会社は、企業と求職者を結びつけ、双方のニーズを満たすサービスを提供する重要な役割を担います。このビジネスは日本国内外で需要が高まり続けており、新たに設立を考える人にとって大きな可能性を秘めています。

本記事では、人材紹介会社を設立するために必要な知識、手続き、注意点について詳しく解説します。

メリット

高い市場需要
日本は少子高齢化の影響で多くの業界で人材不足が深刻化しています。特に専門性の高い職種やIT、医療分野では質の高い人材紹介サービスが必要とされています。

収益性の高さ
人材紹介業は成功報酬型のビジネスモデルが主流で、成約ごとに高額な手数料を得られる可能性があります。一人当たりの成功報酬が大きい点がこのビジネスの魅力です。

柔軟な運営形態
オンラインプラットフォームを活用すれば、オフィスを必要としないリモート運営が可能です。これにより、初期費用や固定費を抑えることができます。

特徴

許認可が必要
人材紹介業を行うためには、厚生労働省が定める「有料職業紹介事業」の許可を取得する必要があります。

厳しい法令遵守が求められる
職業安定法や個人情報保護法など、多くの関連法規を遵守しなければなりません。不備があると事業停止や許可の取り消しにつながる可能性があります。

1. 事業計画の策定

人材紹介会社を成功させるためには、具体的な事業計画を作成することが重要です。

検討ポイント
ターゲット市場の特定
IT、医療、製造業など、特定の分野に特化することで他社との差別化を図ります。

収益モデルの選択
成功報酬型、サブスクリプション型など、自社に合ったモデルを選択します。

競合分析
競合他社のサービス内容や強み・弱みを分析し、自社の優位性を明確にします。

2. 会社の設立

会社の設立は、事業の基盤を築く重要なステップです。

必要な手続き
商号や本店所在地の決定
商号(会社名)は、覚えやすく信頼感を与えるものが理想です。

定款の作成
定款には事業目的として「有料職業紹介事業」を明記し、内容を公証役場で認証します。

登記申請
法務局で会社を設立するための登記申請を行います。設立登記完了後、法人番号が発行されます。

3. 有料職業紹介事業の許可申請

人材紹介業を行うためには、厚生労働省から「有料職業紹介事業」の許可を得る必要があります。

許可取得の条件
資本金要件
法人の場合、資本金は500万円以上が推奨されます。

事務所の要件
専用の事務所が必要で、自宅兼用やシェアオフィスは認められない場合があります。

人員体制
職業紹介責任者を設置し、厚生労働省の指定する講習を受講させる必要があります。

人材紹介業は人材派遣業ほど厳しくはありませんが、開業にあたって法的な要件が定められています。それらを確認していきましょう。

人材紹介業は許認可制

人材紹介業は誰でも開業できるわけではなく、国の許認可業です。

次項から説明する4点を満たしたのち、厚生労働省に人材紹介業の許可申請をし、それがOKになって初めて人材紹介業として仕事を始められます。

許可申請にあたっては、細かい書類の準備も必要になるため、適宜、社会保険労務士へ相談、許認可書類の作成の依頼をすることが望まれます。

人材紹介業の許認可申請は社会保険労務士の独占業務です。

合わせて、司法書士資格も持っている方だと、会社設立代行も可能になります。

要件1 基準資産額500万円以上

人材紹介業を開業する際には、500万円以上の「資産」が必要になります。

突然、資金難で倒産すると求職者が困ってしまいますので、財務状態を重視します。

基準資産額500万円以上とは

  • 「資産-負債」≧500万円
  • 資産のうち、150万円以上が「現金」「預金」であること

の両方を満たす必要があります。

金融機関からの借入は「負債」ですので、借入で500万円調達しても、これは基準資産額500万円を満たすことにはなりません。

借入、融資で基準資産を調達できない、と解してください。

ポイントは負債の算出方法であり、会社設立していれば、会社の貸借対照表で計算しますが、個人事業主として開業すると(人材紹介業は個人事業主も可です)、個人の住宅ローン、教育ローン、奨学金なども負債として計算します。

これらがある人は、実質的に個人事業主として人材紹介業の開業は難しいとお考え下さい。

要件2 事務所要件

人材紹介業は原則的に「自宅開業」が難しいです。

転職エージェントを利用したことがある人はわかると思いますが、プライバシーが守られた相談スペースなどが必要になります。

具体的には以下の要件を満たす事務所スペースを準備します。

1.職業紹介の適正な実施に必要な構造、設備・面談のための個室の設置・パーテーション等での区分がなされていること2.他の求職者と求人者と同室にならずに対面の職業紹介を行うことができる・面談の予約制・事務所とは別の場所に賃貸部屋を確保するなど面談のための部屋を設ける3.面談スペースと執務スペースもそれぞれ個人情報が守れる構造になっていること・部屋に鍵がついていること・書類の保管のために鍵付棚等がある 

この条件を満たす事務所を用意しないと開業できません。

以前は事務所は20㎡以上、繁華街の近く不可、事務所の名義人が代表者、などの要件がありましたが、緩和されました。

現在の要件の場合、レンタルオフィスなど(個室)を利用することも場合によっては可能です。

要件3 職業紹介責任者の資格

人材紹介業の開業にあたり、「職業紹介責任者」という人を置かなければなりません。

開業するみなさんが職業紹介責任者になることもできます。

職業紹介責任者になるには、以下の条件を満たす必要があります。

①成人である②成年に達してから3年以上の就業経験(正社員だけでなくバイトでもOK)③他の会社の社員ではないこと(出向・非常勤除く)④職業紹介責任者講習の受講(許可または更新)が済み、受講証明書が発行されている

必ず受講して、職業紹介責任者になっておきましょう。
職業紹介責任者講習の実施機関等について

要件4 個人情報管理の徹底など

人材紹介業は求職者のプライベートな情報を扱うため、個人情報保護などの体制が徹底していることが必要です。

個人の思想・信条や宗教、門地などを聞くことは極めて問題があり、特段の事情がない限り聞くべきではありませんし、求職先の関係上合理的な理由で聴いた場合も、その情報管理の徹底が求められます。

求人企業の開拓

人材紹介業の成功には、求人案件の確保が欠かせません。企業への営業活動を通じて、信頼関係を構築することが重要です。

求職者の登録

求人データベースを充実させるために、求職者の登録を促進します。SNSや求人広告を活用して効率的に集客しましょう。

ITツールの導入

人材管理やマッチングを効率化するために、専用のCRMシステムやマッチングツールの導入が推奨されます。

法令遵守の徹底
職業安定法や労働基準法、個人情報保護法を確実に遵守する体制を整えましょう。

適切な収益管理
成果報酬型のビジネスモデルでは、収益が不安定になりがちです。キャッシュフローを意識した運営が求められます。

サービスの差別化
特定分野に特化したサービスを提供することで、競合他社との差別化を図ります。

人材紹介会社を設立することは、社会に貢献しつつ収益を得る素晴らしい機会です。ただし、許認可の取得や法律の遵守など、多くの手続きや準備が必要です。本記事で紹介した手順とポイントを参考に、計画的に進めて成功を目指してください。

適宜専門家のアドバイスを受けることで、より確実なスタートを切ることができます。

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