自営業は脱税しまくりなのでしょうか?
ただ、自営業は脱税するよりも正しく節税する方が断然おすすめの理由を解説しましょう。
自営業であれば経営方法も重要ですが、税金対策を行うことも大事です。
自営業は仕事で得た収入が所得税や住民税など課税対象になるため、ある程度税金対策をしておかないと、税金で収入が大きく減少してしまうことがあります。
個人事業主はいろいろな方法で税金対策を行えますが、中には脱税のような方法で対策を講じることもあります。
「自営業は脱税しまくり」と思っている人もいるかもしれません。
実際に脱税はどうなのか内容を紹介しましょう。
脱税は違法!しまくりは大変危険!
自営業は自分で確定申告を行うことになります。
ただ、全ての収入をそのまま記載するのではなく、帳簿の金額や経費などによる出費は収入から差し引くことができるので、計算した金額を申告します。
収入が多いほど、所得税や住民税などの税金は増えてしまうので、何とか税金を払わないように脱税を考える方も出てきます。
仮に脱税を100人したからといって、その全ての人が脱税容疑で税務署に捕捉されるわけではありません。
そのため「自分はバレない」と思い、収入を低く申告して脱税をしても問題ないように思えます。
しかし、税務署は収入と申告に大きな差があれば税務調査などを行い、脱税していないか確認します。
もし、脱税をしているようなら重加算税延滞税という追徴金を支払わなくてはいけないので、さらに税金の支払いが増えてしまいます。
さらに、悪質な脱税方法となると逮捕されて起訴されることもあり、事業自体が破産してしまうこともあります。
脱税は違法なので、脱税しまくりと見受けられる疑いを持たれると税務調査の対象になるものと考えておいてください。
脱税ではなく節税を行って税金対策を行うのがおすすめです。
自営業のどんな行為が脱税に当たるの?
自営業は経理作業を行う必要がありますが、どのような行為が脱税に当たるのか理解しておきたい人もいるでしょう。
実は脱税の種類というのは限られており、税務署もポイントを抑えています。
以下のような方法がよく利用されています。
架空の経費で計上を行う
自営業が行う脱税には架空の人件費や外注費を計上する方法があります。
通常は自分が支払った経費に対して勘定科目に計上します。
例えば、光熱費や事務所の家賃、また仕事の必要な商品を購入した場合は経費として計上することが可能です。
ただ、経費として計上したものは請求書や領収書が必要であり、しっかり保管しておく必要があります。
しかし、架空請求による経費は領収書などの証明書がなく、税務調査を行って事実を問い詰めていくと簡単にバレてしまうでしょう。
例えば、取引先への会社への必要経費として多額のお金を支払っている場合、まず税務署は相手が存在している会社なのか登記簿などを見てしっかり確認します。
調査結果によって会社の存在自体がなく、脱税のために架空請求をしたことが判明すれば、重加算税の対象となり、より多くの金額を税金として支払うことになります。
架空請求は金額が大きいと逮捕されて起訴されるほどの悪質な脱税方法となっているので、絶対にやめておきましょう。
旅費や交通費を捏造する
自営業としては経費で旅費や交通費を計上することが可能です。
旅費や交通費は、例えば地方に取材に行くときや、取引先などの会合で出張に行くときがあるでしょう。その際に支払ったバスや飛行機のチケット代などは経費として計上できます。
ただ、旅費や交通費を架空にして会計に計上して脱税を考える人もいます。
規定内の金額までは領収書などは必要ないので「脱税として計上しやすい」と考える人もいるのです。
ただ、旅費や交通費は必ず支払い履歴が残るため、例えばETC記録や宿泊記録、新幹線の搭乗記録など、複数の事実を集めていけば綻びが出てきます。
支払ってもいない旅費や交通費を捏造して多額の脱税を行っているなら、税務署に追徴でさらに多くの税金を支払うことになるため絶対に行わないようにしてください。
税制の優遇措置を利用して脱税を行う
自営業は税制の優遇措置を利用することで節税を行うことが可能です。
例えば、不動産なら赤字決算なら繰越しや固定資産税の減税、減価償却などを利用して節税を行うことが可能です。
ただ、税金の優遇措置を利用して収益の申告を減らす脱税を考える人もいます。
例えば、機械設備を導入する際は特別償却や割増償却を行うことができ、機械設備を導入することで税金を減税することが可能です。
この際に、導入時期が先なのに決算日の3月に導入したと偽り、その時期の売上を減少させて脱税を行うということです。
ただ、機械導入による脱税は税務署の調査により直ぐにバレてしまいます。
決算日間近で機械設備が行われているなら、税務署は課税を逃れる口実を疑い、税務調査を行うことがあります。
調査で製造メモや納入メモなどをチェックすれば、搬入時期が分かるため脱税と判明できます。
さらに利用した機械メーカーも記録を改ざんしている可能性もあり、取引の業者も同じように調査することもあります。
偽装工作はバレれば税金負担が大きくなるので絶対にしないでください。
実際の売上から部分的に金額を除外
自営業の行う脱税には売上除外もあります。
売上除外は実際に売上から得た利益を低く申告する行為です。
確定申告の際に売上が大きいと、収入も大きくなるため支払う税金も増えます。
そのため、売上を実際よりも何十万も低く申告するなら、それだけ税金を支払う金額は減少するため、脱税方法として利用されることが多いです。
ただ、売上除外の方法は税務署が調査をすれば簡単にバレてしまう脱税です。
例えば、自分が取引をしている相手の経費計上を見るなら、そこから辿っていくことで最終的に正確な売上金額を確認することが可能です。
また、税務署は「資料せん」という書類を使用して情報収集を行い、脱税を辿ってゆくことができます。
売上除外もバレるなら追徴として税金を大きく支払わなくてはいけません。
売上除外は脱税方法としては簡単にバレるのでやめておきましょう。
隠し預金口座や貸金庫を利用して偽名口座を作成
隠し預金口座や貸金庫を利用してお金を保管し、脱税を行うこともあります。
通常仕事で得た報酬は専用の口座を利用して保管します。
仕事用の口座を開設しておくことで、取引先との入出金や経費の支払いなどを一本化でき、お金の流れを把握しやすくなるからです。
しかし、隠し預金口座や貸金庫を別に作成しておき、そこに仕事で得たお金を別に預金することで脱税を行うことを画策する人もいます。
別にお金を保管しておけば元々の専用口座から収入が減っていることを証明できるため、脱税方法として利用されることが多いです。
しかし別の銀行口座の利用や貸金庫などにお金を保管しておく脱税方法は税務調査でバレます。
理由は、税務署は個人事業主の銀行口座、またマイナンバーなどの身分証明書を利用して銀行口座を紐付けできるため、脱税していないかチェック可能だからです。
貸金庫についても使用料が引き落とされるため関連する銀行口座を調べることで貸金庫の存在を確認することが可能です。
隠し預金口座や貸金庫での脱税は税務署もマークしているため絶対にやめておきましょう。
2年ごとに事業を廃止して開業を行う
自営業の脱税方法に事業の廃止を利用することがあります。
事業を開始した後、3年目からは消費税がかかってきます。
消費税を課税することになれば、さらに税金の負担が大きくなるため、意図的に廃業をして開業をすることで免れることができます。
事業の廃止をした後に再度名義を変えて開業するなら、新たに開業したことになるので消費税の課税はかからないという仕組みです。
名義変更をしていると「脱税の方法としてバレない」と思いがちですが、古典的な方法なので税務署も把握しています。
脱税を行っているなら名義人とは異なる人物が別の方法でお金を吸い上げていることになるからです。
そのため、名義人と自分の関係性を調査されれば、意図的な廃業と見破られるでしょう。
脱税とバレればもちろん、追徴による重加算税の対象となります。
実態のない赤字会社への発注
自営業の行う脱税方法に、実態のない赤字会社を利用することがあります。
赤字会社を経営して必要経費として支払いを行うことで経費への正当な理由とすることが可能です。
また、赤字会社は売上が計上されても赤字のままであれば課税されません。
そのため、結果的に支払った金額は会社の所得税、法人税の減少に利用できるため、多くの個人事業主が不動産経営などで節税として利用可能です。
ただ、不動産の赤字の繰越しなどを狙い、脱税として利用している人もいます。
例えば、赤字会社の経営者に一定の手数料を渡して、残ったお金を裏で現金で返してもらうことがあります。
この脱税方法だと赤字会社に適切な支払いをしておらず、金額も高額になるため悪質な脱税方法として厳しく罰せられるでしょう。
税務調査で両者の取引記録や資金の流れなどを確認できれば追跡することが可能であり、脱税が明るみになれば起訴されて懲役判定される可能性も高いです。
棚卸し表を改ざんする
自営業で棚卸し表の改ざんを行い脱税することもあります。
棚卸し表は在庫の帳簿であり、数が少ないほど売上原価を増やして課税所得を減少することが可能です。
例えば、100ある在庫を帳簿上で70と少なめに計上することで税金の支払い金額を下げることができます。
棚卸し表は相手側には必要ではなく、自分で管理するため自己完結させることが可能です。
そのため脱税がバレにくいとして利用する個人事業主も多いです。
しかし、棚卸しの改ざんは後々辻褄が合わなくなるため、税務署も脱税を突き止めやすい傾向があります。
棚卸しはITの普及により、ある程度の個数をコンピュータを利用して在庫管理を行うことが多いです。
そのため、在庫表のデータを書き換えると元々の品数とデータがおかしくなり、辻褄が合わなくなってきます。
税務調査の際に在庫表と期末在庫の数が合わない時点で脱税を疑われやすくなり、決算期以降の取引と4〜9月の進行年度の取引をしっかり確認すれば不正があったことを突き止められます。
改ざんがバレれば最悪起訴されることもあるため、やめておきましょう。
脱税をせずに節税を行うためには
脱税を行うなら税務署からの調査が入ったときに、必ず追求されてさらに税金を追徴払いする、または犯罪として起訴されています。
そのため、脱税とならないように税金対策を行うことが大事です。
節税の方法としては以下のことが基本的に行えます。
仕事の必要経費が生じたなら計上していく
仕事で必要経費が生じたなら帳簿にどんどん記載していくことが大事です。
個人事業主で、例えば事務所を持っているなら、家賃や光熱費、また諸々の雑費などを会計として計上することができます。
また、仕事で不動産を購入して経営するなら、不動産に適用される減価償却などを利用して節税対策を行うことも可能です。
節税の方法は違法ではないので、法令に沿った税金対策を行うなら税金の支払いを抑えることができます。
経費はプライベートなことではなく、仕事に関連していれば税務署からも認められるため、出費が生じれば経費として計上することがおすすめです。
税理士と提携する
自営業で税金対策が分からないなら、税理士と提携することもおすすめです。
税理士はどんな方法が節税のプロです。
自分の収入や経費などを確認して、必要経費として認められるものはどんどん計上してくれます。
経費はプライベートのことは適用できませんが、事業との境界線が曖昧な部分もあり、自分では分からないこともあるでしょう。
税理士報酬を支払わなくてはいけませんが、税理士のプロに任せれば、脱税をせずにしっかり節税をしてもらい税金対策を行うことができます。
ぜひ利用を考えてみてください。
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脱税しまくりではなく節税に重点を置こう
自営業の方は「脱税しまくりなのでは?」という考えは間違いです。
脱税しまくりなら税務調査が入り、追徴や起訴されるなど大きなリスクが生じます。
脱税ではなく節税を心がけることが個人事業主として上手く税金対策をする上で大事です。
節税をしっかり行えるように税理士との相談をしてみてください。