法人化すれば節税できるなどの理由で、気軽に法人化する事例は多々あります。
ただ、このように後先を考えずに法人化してしまうと、後悔してしまう原因となってしまいます。
法人化を考えているのであれば、様々なことを考えなければなりません。
法人化してから後悔してもどうしようもありません。
今回は法人化による後悔の理由を理解して、皆さんが法人化した際に後悔しないで済むようにしていきましょう。
法人化で後悔する人は多い
意外かもしれませんが法人化で後悔する人は多いものです。
法人化することがゴールのようなイメージがあるかもしれませんが、後先を考えない法人化によって後悔してしまうのです。
まずはどのような状況で後悔してしまうのかについてご紹介します。
ケース1:無計画な法人化で後悔する
法人化に後悔する代表的なケースが、フリーランスや個人事業主から法人化するものです。
法人化すること自体は何の問題もありませんが、無計画に法人化してしまうことで後悔してしまうのです。
一般的にフリーランスや個人事業主よりも、法人はメリットが多いとのイメージがあるようです。
確かに法人化したほうがメリットが大きい場合はありますが、これは売上金額など条件によります。
何も考えずに「法人化すればメリットがある」とだけ考えていると、実際にはメリットを感じられずに後悔するわけです。
また、メリットを感じられる場合でも、法人化によるデメリットで打ち消されてしまう場合があります。
法人化するとフリーランスや個人事業主にはなかったデメリットが発生しますので、これは考慮していないと法人化により後悔することになりかねません。
フリーランスや個人事業主から法人化をおすすめするケースがあります。
ただ、全てのケースが該当するわけではありませんので、無計画に法人化すると後悔してしまいます。
ケース2:いきなりの法人化で後悔する
フリーランスや個人事業主を経由せずに、いきなり法人化して後悔するケースがあります。
お店などを設立するにあたり、いきなり法人から始めるケースが該当します。
法人化するメリットを感じられる見込みがあるならば、いきなり法人化しても良いでしょう。
例えば売上金額が何千万円にもなる見込みがあれば、法人化した方が税金が抑えられるかもしれません。
理由があるならば法人化しても後悔する可能性は低いです。
逆に特別な理由なく「法人のほうが見た目が良いから」などの考えで法人化すると後悔する可能性があります。
後ほどご説明しますが法人には法人住民税の支払い義務などがありますので、法人化せずにフリーランスや個人事業主の方が適している場合は多々あります。
最初から法人化することによるメリットを受けられるのであれば法人化しても問題はありません。
逆にそのようなことを一切考慮していないのであれば、後悔する原因となりますので法人化するべきかは再考しましょう。
なぜ法人化で後悔するのか
法人化によって後悔する理由は様々です。
皆さんに知ってもらいたいものをピックアップすると以下が挙げられます。
- 資本金にまとまったお金が必要となるから
- 法人の設立にお金がかかるから
- 維持費にお金がかかるから
- 想像よりも節税できないから
- 経営方針が一致しなくなるから
- 解散時には手続きが必要となるから
具体的にどのような内容で法人化を後悔するのかご説明します。
後悔の理由1:資本金にまとまったお金が必要となるから
資本金にまとまったお金がいることを知って後悔します。
現在は資本金1円から会社設立ができるものの、実際にはまとまったお金が必要です。
法人化する過程でこれを知って後悔するのです。
フリーランスや個人事業主にも基本的な考え方はありますが、これは個人のお金と混在しているケースが多々見られます。
本来は分けて管理すべきですが、売上金額の一部をプライベートな支出に使ったり、個人の貯金や個人事業主としての支出に使ったりするのです。
会計帳簿に記載さえすれば、お金の動かし方には融通が効いてしまうのが事実です。
それに対して法人化すると、資本金として払込みしてしまわなければなりません。
まとまったお金を払込みして、それは法人のお金となり個人では自由に利用できなくなります。
まとまったお金を法人用に用意する必要があり、個人のお金が減ってしまうことで後悔するものです。
後悔の理由2:法人の設立にお金がかかるから
法人化にはお金がかかることを知って後悔する場合があります。
法人化には様々な費用が必要となることを知らないがために後悔するものです。
例えば法人化する際には法人登記の手続きが必要です。
法人登記の手続きをするにあたり登録免許税を支払わなければなりません。
この支出の存在を知らずに後悔するケースがあります。
また、法人化するためには多くの書類を作成しなければなりません。
ただ、これらの書類作成には時間が必要となり、また専門知識も必要とされます。
そのため書類作成を専門家に依頼しなければならない可能性があります。
もし作成を依頼してしまうと、書類作成費用の支払いが発生します。
この支払いを想定していない場合は、法人化に費用が発生して後悔してしまうのです。
フリーランスや個人事業主は開業の手続きをするにあたり費用が発生しません。
しかし、法人化には費用がかかるため事前に把握しておかないと後悔してしまいます。
後悔の理由3:維持にお金がかかるから
法人化して会社設立をすると維持にお金がかかってしまいます。
フリーランスや個人事業主と比較すると多くのお金が必要となり、そこで後悔してしまいます。
例えば法人化すると以下のような支払いをしなければなりません。
- 事務所の家賃や光熱費
- 従業員の社会保険料
- 法人税や法人住民税などの税金
- 会計事務所などとの契約費用
個人事業主やフリーランスで支払いが必要なものもあります。
ただ、法人化することで負担が増えるものもあり、そこで後悔してしまうのです。
例えば法人化すると必ず法人住民税の負担が必要です。
法人住民税には均等割と呼ばれるものがあり、仮に赤字でも必ず支払いしなければなりません。
個人の住民税は所得がマイナスの場合支払う必要がありませんので、想定していない維持費の発生で後悔してしまいます。
後悔の理由4:想像よりも節税できないから
節税を目的に法人化するケースがあります。
確かにフリーランスや個人事業主である程度の売り上げがあれば節税できる可能性がありますので、誤った選択ではありません。
ただ、法人化したからといって大きく節税できるとは限りません。
法人は法人で税金が発生しますので、想像していたよりも節税できない可能性は十分にあります。
そのような状況が原因で法人化を後悔してしまうのです。
もし節税を目的に法人化するのであれば、本当に節税できるのか事前に確認するようにしましょう。
たとえば税理士などに相談をすれば、法人化することで節税が期待できるのかを判断してもらえます。
法人化すると必ず節税できるとは限りません。
売上金額など一定の条件を満たしている場合にのみ節税できるのです。
何の試算もなく法人化すると思ったよりも節税できず後悔する可能性があります。
後悔の理由5:経営方針が一致しなくなるから
経営方針が一致しないために後悔する場合があります。
特に複数人で法人化した場合は、なかなか後に引けず後悔に繋がりかねません。
法人化するタイミングでは複数人でも経営方針が一致しているのが基本です。
しかし、会社の運営を続けていくと徐々に経営方針が一致しなくなる可能性があります。
こうなると法人化したものの役員を辞めたり辞めてもらったりしたくなるでしょう。
ただ、このような状況になっても、定款などに定められた手続きを踏まなければ役員は変更できません。
経営方針が一致しないからと好き勝手には辞められないことで後悔するのです。
中には経営方針が一致しないために、いち早く役員を辞めたいと考える人がいるでしょう。
そのように考える気持ちは分かりますが、定款に定められた手続きを踏まなければ経営方針が一致しなくなっても役員は辞められません。
後悔の理由6:解散時には手続きが必要となるから
法人は解散するにあたり手続きが必要です。
法人化する際は法人の登録登記が必要で、解散する際は法人の解散登記が必要です。
解散登記についても登記の手続きですので、登録免許税が必要となります。
つまりお金を支払って解散の手続きをしなければなりません。
この点を理解していないことで、「解散の際にもお金が必要となるのか」と後悔してしまいます。
フリーランスや個人事業主の場合、廃業届の提出にお金は必要ありません。
書類の提出は求められているものの、解散登記のようにお金を支払ってしなければならない手続きはありません。
法人も同じような手続きだとイメージしていると、お金が必要となる事実に後悔してしまいます。
法人化すると法人の設立時と解散時の両方にお金が必要となります。
設立時のお金はイメージしやすいと思われますが、解散時のお金も意識しておかなければ後悔しかねません。
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まとめ
法人化で後悔する場合についてご説明しました。
一般的に法人化は良いイメージがあるようですが、実際には法人化して後悔するケースは多く見られます。
そのため法人化する際には、後悔しないように様々な観点から検討しなければなりません。
法人化して後悔する理由を掘り下げてみると「事前に詳しく調査していなかったため」というケースは多くあります。
調べていれば後悔しなかった内容であるにも関わらず、それはサボったがために後悔してしまうのです。
もし法人化で後悔したくなければ、24時間受付で手数料無料の経営サポートプラスアルファにご相談ください。
会社設立をサポートするサービスがありますので、法人化に向けて様々なアドバイスを行います。
後悔しないように疑問点の解決もしますので、是非ご相談ください。