合同会社は2006年の新会社法施行により認められた会社の形態です。
比較的新しい会社の形態ですので、まだ知名度が低いのが現状です。
しかし、知名度の低さとは裏腹に合同会社は様々な大手企業が選択している形態でもあります。
今回は大手企業で合同会社を選択しているところを一覧形式でご紹介します。
注目しておきたい大手の合同会社一覧
それでは具体的に合同会社の中でも、大手企業に分類されるものを一覧でご紹介します。
大手一覧1:グーグル合同会社
検索サイトの中でも大手であるGoogleが設立する日本法人です。
2001年にアメリカ国外初の現地法人として、日本に合同会社で設立されています。
ただ、最初に日本法人が設立された際はGoogle株式会社でした。
このタイミングでは合同会社がありませんでしたので、大手企業らしく株式会社で設立されています。しかし、2016年に合同会社に変更されましたので、今回の大手企業一覧でご紹介しています。
大手一覧2:Apple Japan合同会社
iPhoneやiPadなど様々な製品を発売している大手企業であるApple社の日本法人です。
本社のアメリカ法人は開発など様々な業務を担っていますが、日本では大手の販売企業として業務を担っています。
Apple Japanも最初に設立された際は合同会社ではなく有限会社でした。
大手企業ではありましたが、株式会社ではなく有限会社で設立していたのです。
しかし、新会社法の施行で合同会社の設立が認められましたので、2011年に有限会社から合同会社へ変更され今回の一覧に含まれています。
大手一覧3:アマゾンジャパン合同会社
大手通販サイトの「Amazon」を運営する日本法人です。
基本的には商品の物流を担う合同会社で、様々な拠点の管理などを行っています。
アマゾンジャパンも1998年に日本法人が設立された段階では、アマゾンジャパン株式会社でした。
まだ、合同会社が認められていませんでしたので、大手企業として株式会社を設立したのです。
しかし、アマゾンジャパンも他の大手企業と同様に、2016年にアマゾンジャパン合同会社へと変更手続きを行っています。
一覧でご紹介しているとおり、海外の大手企業は株式会社や有限会社から合同会社に切り替えるケースが多く見られます。
大手一覧4:ユニバーサルミュージック合同会社
アメリカを中心に大手企業として音楽事業を展開しているのがユニバーサルミュージックです。
こちらの日本法人がユニバーサルミュージック合同会社となっています。
音楽企業一覧に名を連ねる企業です。
ユニバーサルミュージックについても設立されたタイミングでは株式会社でした。
しかし、現在は大手企業ながら合同会社に変更されています。
ユニバーサルミュージックといえば、テレビなどにも出演する有名なアーティストや俳優などが多数所属しています。
そのような大手企業であっても、一覧のように合同会社に変更している状況です。
大手一覧5:合同会社西友
日本国内に大手として多くのスーパーマーケットを保有しているのが西友です。
店舗数が多くネットスーパーも充実していますので、スーパー名の一覧などで目にしたり利用したりした経験のある人は多いでしょう。
このような日本中に展開されている大手のスーパーですが、こちらも株式会社ではなく合同会社で運営されています。
大手企業だからといって株式会社で運営されているわけではないのです。
ただ、西友は最初から大手の合同会社ではなく、株式会社をウォールマーケットに譲渡した際に合同会社へと変更されました。
日本国内の大手企業でも、株式会社ではなく変更して一覧のように合同会社で運営されているものがあります。
大手一覧6:合同会社ユー・エス・ジェイ
大阪市の大手アミューズメント施設である、ユニバーサルスタジオジャパンの運営を行っている会社です。
USJの略称で親しまれていますので、ご存知の方が多いでしょう。
ユー・エス・ジェイについても会社が設立された際は株式会社でした。
しかし、2018年に合同会社へと変更されています。大手の商品販売企業だけではなく、大手のアミューズメント施設を提供する企業でも一覧のように合同会社は選択されているのです。
大手一覧7:コダック合同会社
写真用のカラーフィルムなどを製造販売している、イーストマン・コダックの日本法人です。
写真を撮らない人でも横浜・F・マリノスのスポンサーをしたことがあるため聞いたことがあるかもしれません。
サッカーチームのスポンサーになるほど大手で有名な企業ですが、日本法人は合同会社で設立されています。
設定された当時は株式会社ですが、2013年からは組織変更して合同会社の大手企業一覧に名を連ねています。
大手一覧8:シスコシステムズ合同会社
ネットワーク機器を多く取り扱うCiscoの日本法人です。
世界最大のネットワーク機器メーカーと言われていて、ネットワーク機器会社の一覧で見ても非常に大きなものです。
また、それだけ大手の企業であるため、ネットワーク機器の販売だけではなく各種スポンサー一覧にも名を連ねています。
日本国内のイベントはもちろん、それ以外のイベントでも世界中でスポンサーを担っています。
イベントのスポンサーも担うほど大手の企業ですが、Ciscoの日本法人も合同会社として設立されています。
世界的な有名企業はトップ企業は株式会社で設立されているイメージがあるかもしれませんが、シスコシステムズ合同会社のように合同会社で設立されている会社があります。
大手一覧9:シティグループ・ジャパン・ホールディングス合同会社
アメリカの大手金融会社であるシティグループが設立する日本法人です。
日本国内でも知名度の高い金融機関でご存知の方は多いでしょう。
日本国内での歴史は長くシティグループ・ジャパン・ホールディングスは1991年に設立されこの時点では株式会社でした。
他の大手金融会社と同様に株式会社で設立され、そのまま2015年までは株式会社として運営されています。
しかし、2015年にシティグループ・ジャパン・ホールディングス株式会社からシティグループ・ジャパン・ホールディングス合同会社に変更されています。
なお、シティグループ・ジャパン・ホールディングス合同会社はいくつかの関連会社を持ち、それらについても株式会社から合同会社へと変更されています。
グループの中で一部だけ合同会社に変更するのではなく、一覧でシティグループ・ジャパン・ホールディングス合同会社を確認すると関連企業全てが合同会社に変更されています。
大手一覧10:ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン合同会社
ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン合同会社は世界的に有名なタバコ会社です。
創業110年ほどの歴史があり、アメリカを中心に大手企業としてタバコを販売しています。
歴史の長い大手のタバコ会社ですが、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン合同会社の名前からも分かるとおり合同会社として設立されています。
現在の日本でも加熱式タバコなど多くの製品を販売していますが、株式会社ではなく合同会社が選択されているのです。
上記でもご説明しましたが、業界の大手企業は株式会社のイメージが強いようです。
実際、日本の企業では株式会社として設立されているケースが多くありますが、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン合同会社のように世界的な大手企業でも日本では合同会社が選択されています。
大手一覧11:デロイト トーマツ合同会社
デロイト トーマツ合同会社はデロイト トウシュ トーマツ リミテッドのグループ会社で、世界大手の4大会計事務所のひとつです。
日本でも多くの企業の監査を担っていますし、世界的にもデロイト トウシュ トーマツ リミテッドは多くのグループ企業を有しています。
世界4大会計事務所に数えられるほどの大手ですが、デロイト トーマツ合同会社は合同会社として設立されています。
やはり業界大手であるからと株式会社を選択するのではなく、合同会社を選択して会社設立をしているのです。
また、デロイト トーマツ合同会社に関連する大手のグループ企業についても合同会社が選択されています。
なお、同じような業務を担っているPwCについても合同会社で多くのグループ会社を設立しています。
業界大手の監査法人グループでも株式会社ではなく合同会社が利用されています。
大手一覧12:P&Gプレステージ合同会社
日本をはじめ世界的な大手企業であるP&Gグループで商品の販売などを担っている合同会社です。
日本では化粧品などを販売しているイメージが強いですが、最大手の一般消費財を扱う企業です。
P&Gグループは古くから合同会社で会社を設立していて、合同会社のまま社名変更が行われています。
他の大手企業では株式会社から合同会社へと変更した歴史がありましたが、P&Gグループに関しては合同会社を会社設立のタイミングから選択しています。
ただ、合同会社を古くから利用している合同会社ではあるものの、日本上陸時は合同会社がなく株式会社です。
世界的な大手一般消費財企業でも早々に合同会社へと切り替えて会社運営をしているのです。
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まとめ
合同会社で設立されている大手企業を一覧形式でご紹介しました。
ここでご紹介している一覧は大手企業の一部で、実際にはこれら以外にも合同会社の大手企業は存在します。
一覧で紹介しているものが少ないからといって、合同会社が少ないわけではありません。
一覧の内容からも理解してもらえると思いますが、株式会社や有限会社から合同会社に切り替える大手企業は多くあります。
それだけ合同会社には株式会社にはないメリットがあると考えてよいでしょう。
ただ、一覧のとおり合同会社で設立されている大手企業が多いからといって、全ての会社に合同会社が適しているわけではありません。
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