会社設立が一人では不安だと感じる人は多いようです。
そのため、誰かと協力して二人で会社設立するケースが見られます。
株式会社や合同会社は何人からでも設立できますので、二人で設立するのは何の問題もありません。
とはいえ二人で会社設立すると、一人で会社設立する場合とは違ったメリットやデメリットが生じてしまいます。
今回は会社設立が二人でできることと、二人で設立した場合のメリットやデメリットについてご説明します。
会社設立は二人でできる
「会社設立には多くの人が必要なのではないか」との疑問をお持ちの方が見受けられます。
そのような方々に向けて、簡単に二人で会社設立が可能であることをご説明します。
新会社法では一人から会社設立できる
現在施行されている新会社法では、株式会社や合同会社は一人で設立できるようになっています。
以前は株式会社を設立するにあたり「最低でも三人」など条件がありましたが、現在はこのような条件がなくなっているのです。
そのため二人で会社設立するのに法律上は何ら問題ありません。
「会社設立は二人でも大丈夫なのだろうか」「二人での会社設立は不可能」などと考えてしまった人もいるでしょう。
しかし、ご説明したとおり会社設立は一人からできますので、二人であれば安心して会社設立の手続きを進めていきましょう。
二人であれば合資会社も設立できる
あまり有名な会社の種類ではありませんが、合資会社と呼ばれるものがあります。
こちらは株式会社や合同会社とは異なり最低二人で設立できる会社です。
設立の際に有限責任社員と無限責任社員が最低一名ずつ必要ですので、二人で設立しなければならないのです。
ただ、合資会社を設立はできるものの、合資会社は株式会社や合同会社と比較してあまりメリットがありません。
そのため、二人であれば会社設立できますが、特別な理由がなければ合資会社の設立はしないでしょう。
選択肢には入りますが、選ばれないのが事実です。
もし、何かしらの理由で合資会社を設立する必要があるならば、最低でも二人が必要となります。
二人でなら会社設立できますので、念のために知っておいて損はないでしょう。
二人で会社設立する3つのメリット
二人で会社設立をするといくつもメリットがあります。
今回、特筆するメリットには以下があります。
- 得意分野をそれぞれ活かせる
- 発想の幅が広がる
- 困難を乗り越えやすい
具体的に二人で会社設立をするとどのようなメリットがあるのかを以下でご説明します。
二人のメリット1:得意分野をそれぞれ活かせる
二人で会社設立をすると、お互いの得意分野をそれぞれ活かせます。
人間はそれぞれ得意分野と苦手分野がありますので、二人であれば苦手分野を補いやすくなります。
例えば二人で会社設立をすると以下のような仕事をそれぞれ役割分担ができます。
- 案件に対応してお金を創出する
- 営業活動をする
- 経理業務に対応する
- 採用活動をする
会社経営には様々な業務がありますので、それら全てを完璧に役割分担できるとは限りません。
また、完璧に役割分担する必要もありません。
重要なのは得意分野の仕事については積極的に巻き取ろうとすることです。
そのような働き方をすることで、効率よく仕事ができるようになるなど、二人で会社設立する意味が増します。
二人のメリット2:発想の幅が広がる
二人で会社設立をすれば発想の幅が広がるようになります。
単純に考えると一人で会社設立する場合よりも、二倍の発想を持てるようになるのです。
一人では出てこないような発想でも二人居れば生み出される可能性が十分あります。
幅広い発想が持てるかどうかは、会社運営に大きな影響をもたらします。
発想が偏ってしまうと事業の進め方にも偏りが出てしまい、失敗してしまう可能性があります。
また、誤った経営判断をしてしまい、倒産など大きな問題につながりかねません。
幅広い発想は事業展開にも問題解決にも必要です。
プラス面でもマイナス面でも幅広い発想が重要となるのです。
二人であればどちらにおいても多くの発想を持てるようになりますので、より良い策に出会える可能性が高まります。
二人のメリット3:困難を乗り越えやすい
会社設立をすると様々な困難に出くわす可能性があります。
そのような時でも二人であれば困難を乗り越えやすくなります。
例えば事業拡大をしようと考えても、一人では良い策が出せないかもしれません。
そのような時に二人であれば多くの策が出せますし、なかなか策が出せなくともお互いに精神的に支えられます。
二人で会社設立をすると、仕事が分担できるなど物理的に負担が軽減できます。
また、精神的にも負担が軽減できます。分担できることで困難に出くわした際も乗り越えやすいのは二人であることのメリットです。
二人で会社設立する2つのデメリット
二人で会社設立をすると、メリットだけではなくデメリットもあります。
具体的には以下のデメリットが考えられます。
- 意見が対立してしまう
- 報酬についての不満が生じる可能性がある
二人で会社設立をしてもデメリットはゼロにできません。
どのようなデメリットがあるのかを理解して、会社設立に臨むようにしてください。
二人のデメリット1:意見が対立してしまう
二人で会社設立すると意見が対立してしまう可能性があります。
一人で会社設立すると意見の対立は起きませんが、二人では衝突する可能性があるのです。
それぞれが自分の好きなように事業展開はできません。
二人で意見が対立した場合、その状態のまま事業を進めるのは望ましくありません。
二人で話し合って納得する状態になってから話を進めるべきです。
ただ、この場合は時間を要してしまうなど問題になりかねません。
また、意見の対立が続くと会社の運営において問題が起きる可能性は多々あります。
お互いに仕事がやりにくくなりますので、二人での会社設立には意見の対立やそれに起因するリスクもあると認識しておきましょう。
二人のデメリット2:報酬についての不満が生じる可能性がある
会社設立では報酬を定めなければなりません。
二人とも役員ならば役員報酬を設定しますし、もしくは一人は役員で一人は従業員として報酬を決定する可能性もあります。
これらの報酬については、お互いに不満が生じる可能性があります。
特に役員については定款に基づいて報酬が支払われますので、会社への貢献度と報酬金額が噛み合わないかもしれません。
このような状態になると報酬についての不満が生じる可能性があるのです。
報酬などお金にかかわる部分はトラブルの原因となりやすいです。
加えて、トラブルになった場合は解決や合意に時間がかかりやすい部分です。
報酬に関するリスクを抱えるのは二人で会社設立するデメリットと言えます。
二人での会社設立を成功させる3つのポイント
二人での会社設立を成功させたいならば以下3つのポイントを意識しましょう。
- 方向性を一致させる
- 決定権を分担する
- 全てを二人で完結させようとしない
具体的にどのように意識するべきかご説明します。
会社設立のポイント1:方向性を一致させる
二人で会社設立する場合は、お互いに方向性を一致させるようにしましょう。
方向性が一致していない状況で会社設立するケースは少ないと思いますが、可能な限り事前のすり合わせが重要です。
事前に方向性のすり合わせができていないと、二人で会社設立をしてからトラブルが起きる可能性があります。
会社設立をしてからでは遅い場合もありますので、方向性や認識違いがないかは事前によく話し合っておかなければなりません。
もちろん、人間ですので方向性が完璧には一致しないかもしれません。
これはやむを得ない事象として理解しておく必要があるでしょう。
ただ、完璧には一致しなくとも、お互いに妥協点は設けておかなければなりません。
方向性が一致していない状況を放置すると、事前に方向性について確認した意味がなくなります。
会社設立のポイント2:決定権を分担する
物事に対する決定権を分担するようにしましょう。
どちらか一人が全ての物事を決定するのではなく、お互いが分担して決定するようにするのです。
そうすれば、お互いの負荷が軽減しやすくなり二人で会社設立をした意味が大きくなります。
決定権の分担方法はどのようなものでも構いません。
分かりやすいものは業務の範囲で決定権を分担するものでしょう。
例えば以下の観点で分担してみます。
- 日々の業務に関わるもの
- 営業に関わるもの
- 総務に関わるもの
- 採用に関わるもの
大まかでも決定権を分担しておけば、その業務に集中できるようになります。
あまり細かく分担しすぎると、役割を分担する作業に時間を要してしまいますので、大まかに分担するに留めておくのが良いでしょう。
会社設立のポイント3:全てを二人で完結させようとしない
二人で会社設立をすると、二人だけで全てを完結させようとする場合があります。
一人ではなく二人であるがために、相談すればどのような物事も決まると考えているわけです。
確かに二人で相談すれば完結できる物事は多々あります。
ただ、会社を運営していると二人では解決できない物事も出てくるものです。
特に法律が関係するなど専門知識が必要なものは、二人で完結できない可能性が十分にあります。
そのため、必要に応じて専門家などに相談するようにしましょう。
会計的なことは会計事務所に相談するべきですし、法律的なことは法律事務所に相談するべきです。
二人がそれぞれ専門家であれば差し支えありませんが、そうでない限りは外部への相談を検討しましょう。
外部へ相談するためには、最初から顧問契約などを結んでおくのが無難です。
いつでも相談できる体制を整えておくと、二人で完結させなくても専門家の意見を取り入れられるようになります。
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まとめ
二人で会社設立をする場合についても説明しました。
新会社法では一人で会社設立できますので、二人であれば何の問題もなく会社設立ができます。
二人での会社設立にはメリットもデメリットもあります。
それぞれを理解して何人で会社設立をするかを考えなければなりません。
また、会社設立のポイントも考慮して、二人で設立するべきか検討する必要があります。
会社設立の人数は会社経営をするにあたり重要です。
そのため会社設立の人数に悩んだ際は、手数料無料で24時間受付の経営サポートプラスアルファにご相談ください。
二人で会社設立するべきかどうかなどを皆さんと共に考えます。